のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

コメントのお返事(スポークの首飛びとダブルクロスの話)  

手組みホイールをお使いの方からコメントをいただいております。
「スポークテンション的には一番楽なはずである、
イタリアン組の反フリー側ヌポークの頭が飛びます。
不思議です。」
とのことです。

えーと、たまたまです。
というだけでは怒られそうなので、ちょっと突っ込んだことを書きますね。
反フリー側は絶対にスポークが飛ばないというわけではないので
当然飛ぶこともあります。
私個人の統計的雑感でも、反フリー側よりもフリー側の方が
スポークの首飛びは多いと思うのですが、
それほど顕著な左右差はありません。
5:5ではないですが6:4にはならないくらい、で
フリー側が多いくらいでしょうか。
また、コメントにあるような ヌポークと反ヌポークの首飛びリスクの差ですが、
理論上はともかく実際はそれほど差異は無いように思います。
それよりもびっくりなのが、ヌポークという このブログの造語が
半ば一般名詞化しつつあることですね(笑)。
とはいえ、実はフリー側に関しては ある条件下では
ヌポークの方が飛びやすくなります。
DSC02453amx.jpg
↑このホイール、私が組んでいます。私が組んだにしては
反フリー側が珍しくラジアル組みですが、ヌポーク通しなので。
こんなんする奴はあまりいないと思われます。
それはいいのですが、ローギヤよりも内側にチェーンを落とした痕跡として
ヌポークだけに傷が付いています

これがあまりにひどいと、スポークの首ではなく途中で折れることもあります。
この状態で首飛びが起きたとして、スポークの傷との
因果関係を全く認めないというのも難しい話です。
「フリー側の方がスポークが飛びやすい」という雑感を
私が抱くだけの左右差があるとして、
フリー側の首飛びの件のうちどれだけが
チェーン落ち履歴のあるものなのかまでは正確に統計を取っていません。
が、これもフリー側の首飛び件数が多いというのに
関係していると思われます(ヌポーク限定ですが)。
もちろん、フリーボディのねじれストレスをより近くで受けているということから
フリー側の方がスポークが飛びやすいという考えも正しいと思います。

あと、コメントの中で それに続けて
「ヌポークは内出しなので首の部分に遊びがあるからなんでしょうか?
だとしたらダブルクロスにしたら遊びがなくなるので
飛びにくくなるんかなーと最近考えています。
ただし、32Hでダブルクロスはちょっと無理っぽいですね。」
とありました。
これについてお答えします。

タンジェント組みのスポークの交差を「○本組み」と表現することがありますが、
別の表現として「○クロス」という時もあります。
これは1本のスポークがハブからリムに至るまでに、
何本のスポークと交差しているのかを見た表現です。

2本組みはスポークの交差が1回だけなので1クロスです。
同様に
DSC02472amx.jpg
4本組みは交差が2回なので2クロスです。
(上の画像の青く塗ったスポーク上の 赤く塗った部分が交差部分)

DSC02477amx.jpg
6本組みは3クロス。

DSC02475amx.jpg
8本組みは4クロスです。
要は「○本組み」は「○/2クロス」という呼び方にもなるということです。
で、交差部分を接触させるようにするのを「編む」といいますが、
3クロス(6本組み)以上は最終交差の一つ手前の交差も編むことができます。
私はこれをダブルクロスと呼んでいます(私の造語というわけではありません)。
3クロスでダブルクロスするのはコメントにもあるとおり ちょっと厳しいですね。
特にラージフランジになるほど無理っぽくなります。
現実的には4クロスのみの特権といっていいでしょう。

DSC02431amx.jpg
DSC02432amx.jpg
↑これも私の組んだホイールです。オーバーホール中ですが。
これは3クロスでダブルクロスしてますね。
見てのとおりスポークがぐにゃぐにゃな感じですが、丸スポークだとこうなります。
コメントにあるとおり、スポークの遊びというか変形量は減るとは思うのですが、
首飛びリスクはむしろ増大するのではないかというのが
現時点での私の考えです。
結線ハンダ付けは最終交差部分の遊びを殺しますが、
ダブルクロスはおもに最終交差よりも内側のスポークの変形量を減らします。
これがホイール体としての剛性に体感レベルで影響するかというと・・・
確かに「横に強くなる」「振れにくくなる」という気はするんです。
しかし(実のところは不明ですが)私は首飛びリスクが増大すると考えていますので、
お客さんに出すメニューではないと思っています。
でも、「やってくれと言われれば断らない」くらいのレベルです。
ご希望の方はお申し付けください。

DSC02479amx.jpg
↑過去に何度も出てきている私の後輪ですが、エアロスポークだと
ダブルクロスでも それほどぐにゃぐにゃにはなりません。

最後に。
「世の中にはのむラボさんとは正反対に、
「反フリー側はラジアルが正しい」という人もいたりします。」
というコメントをいただいていますが、
これについてはちょっと時間をください。
結論を先に言うとそんなわけあるかなんですが、
なぜダメなのかと、反フリー側ラジアル組みでも
一応 許されそうな条件というのについて書こうと思います。

category: スポークの話

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2013/02/26 05:29 | edit

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