のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

位相の話 その1  

当ブログでは、これまで「位相」という単語を定義なしで使ってきました。
本当はもっと早くこれを書くはずだったのですが、遅れに遅れて今に至った次第です。
当ブログでいう位相というのは「ハブフランジのスポーク穴の位置」と
「リムのニップル穴の位置」の角度的な位置関係のこと
だとします。
位相がピッタリ合うかどうかは非常に重要な問題です。
むしろ「位相が合わないホイールなんてあるの?」と思われるかもしれませんが、
ハブとリムの取り合わせ、あるいは組み方によってはありうるので
いろいろと書いていきます。
DSC02485amx.jpg
その前に。
ハブフランジ径がリム内径と同じというホイールを想像してみてください。
そのホイールをバルブ穴の位置で進行方向と垂直な方向にカットし、
平たくのしたとします。

DSC02486amx.jpg
↑そうするとこういう状態になりますね。
これが位相を考えるときの基本形です。
まず、たまに聞かれることですが「36Hのハブで18Hのリムを組む」という
場合の位相狂いについて書いていきたいと思います。
36Hハブ/18Hリムの場合に限らず
「リムの穴数がハブの穴数の半分」の場合でも同じです。

DSC02487amx.jpg
まず、36Hハブと36Hリムでラジアル組みをしてみます。
自分から見て向かって手前側のスポークを赤、奥側のスポークを青で描きました。
ラジアル組みのスポークの線分が進行方向に対して垂直です。
位相狂いは起きていません。

DSC02490amx.jpg
次に、ハブがそのままでリムの穴数が半分になったとします。
とりあえずリム側の穴を半分消しました。

DSC02491amx.jpg
リムの穴振りも、半分の数に合わせて修正します。

DSC02492amx.jpg
こうなりますね。

DSC02494amx.jpg
自分から見て奥側のフランジだけをまずラジアル組みしてみます。
これだけ見れば位相狂いは起きていません。

DSC02495amx.jpg
ところが、もう片側のフランジ穴では まっすぐの位相に対応する位置に
リムのスポーク穴がありません。
位相がずれているのを承知でスポークを配するしかありません。

DSC02496amx.jpg
それを通すとこうなります。
実際にこれで組んだとします。左右のスポークの長さは当然同じものを使います。
リムがセンターに来るようにスポークテンションを張ってやると・・・

DSC02498amx.jpg
こういう状態で安定します。

DSC02500amx.jpg
↑実際の18Hリムと36Hハブでは これほど顕著ではありませんが、
ラジアル組み(放射状にのびていないので語弊がありますが)のスポークが
手前側ではヤマアラシさん方向に、奥側では反ヤマアラシさん方向に向かって
かすかにねじれます。気持ち悪いですね。
JIS組みのヌポークだけ残した状態と言ってもいいでしょう。
実際にはかすかなので、乗って乗れないことはありませんが、いい気はしません。

DSC02501amx.jpg
これでタンジェント組みをすると、けっこうな問題が起きます。
通常の位相が合っているタンジェント組みのヌポークをF1、
反ヌポークをF2とすると、F1とF2の引っ張り方向の合成は
上の図のF3となります。
F3はラジアル組みの場合のスポークの通り道でもあります。

DSC02502amx.jpg
そのF3がねじれているのが位相の狂った状態です。
ねじれたF3をハブ側に延長しても、ハブ軸を通りません。
このねじれたF3に対するF1とF2を描き足すと
DSC02503amx.jpg
↑こうなります。F1スポークとF2スポークが同じ長さであった場合、
F1スポークは組むには短く、F2スポークは組むには長くなります。
片側のフランジで2種類のスポーク長さが必要になります。
これが後輪なら、ひとつのホイールで4種類の長さが必要になるということです。
18Hのリムの場合は片側9Hで奇数なのでタンジェント組みは出来ませんが、
32Hハブで16Hリムを組む場合はこういうこともありえます。

DSC02504amx.jpg
次に、18Hハブで36Hリムを組む場合を考えます。
まずは基本形から。

DSC02505amx.jpg
片側のフランジの穴をすべて消しました。

DSC02507amx.jpg
普通のハブのフランジの穴の位相は左→右→左→右・・・で等間隔に空いているので
ひとつ飛ばしのスポーク穴を反対側のフランジに移します。

DSC02508amx.jpg
これが「ハブの倍の数の穴のリム」で組む場合の図です。
さっそくラジアル組みをしてみます。

DSC02509amx.jpg
↑位相の狂いは起きていません。が、リムの穴振りの片側しか使っていません。
穴振りの無いリムであれば問題ないのですが、
「ハブの倍の数の穴のリム」で組む場合
12Hハブ/24Hリム
16Hハブ/32Hリム
18Hハブ/36Hリム
というのが現実的な範囲です。
14Hハブ/28Hリムというのはハブの方が手組みでは まずありえません。
12Hハブというのも7700デュラエースなどでありえますが、
実際は「16Hハブ/32Hリム」と「18Hハブ/36Hリム」の
2つにほぼ限られると言っていいです。
32Hや36Hのリムのほとんどはスポーク穴の穴振りがあるので、
ハブの倍の数の穴のリムで組むことは位相狂いこそないですが
穴振りオフセットが起きるので やはりまともなホイールとは言えません。

category: 位相の話

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://pass13.blog.fc2.com/tb.php/313-d75251c2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

検索フォーム

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

リンク

カウンター