のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

WH-7850-C24-TLのスポークを交換しました  

今日もホイー(以下略)。
DSC04973msn.jpg
びふぉー
DSC04975msn.jpg
あふたー
7850チューブレスホイールの前輪のスポークを、
番手違いのものに総交換しました。

なぜこんなことをしたのかについて。
「スポーク量」という考えがあるのですが、
ここに書いたことは無かったと思っていたら
そんなことは無かったぜ(→こちら)。
ハブとリムの間に存在するスポークの総量の、
組み換え前後の比や 後輪の場合の左右比を
スポークの量で見るという考えです。

まずは、後輪の場合の左右比について。
長さを無視した スポーク比重(100%なら100とする)と
本数をかけた数字の左右比を元に
スポークテンションの左右差を考えます。
24Hの後輪だとして、
左右同径スポーク左右同数組みであれば
全チャンピで100×12:100×12で1:1、
全コンペで85×12:85×12で1:1となりますが、
半チャンピだと100×12:65×12で 100:65、
約3:2になります。

これが左右同径スポークの左右異数組み(2:1組み)で
もし全CX-RAYであれば 65×16:65×8なので2:1となり、
左右比が大きいので スポークテンションの左右差は相当に小さい、
ということが分かるわけです。
カンパニョーロの最新の少し前のゾンダであれば
左右異数組みに左右異径組みをしているので
もう少し左右比が大きくなります。
また、厳密にはハブの寸法や リムのオフセットの有無などでも
スポークテンションの左右差は大きく変わるので、
スポークの長さや ホイールの組み方を無視した
簡易版のスポーク量の計算は 本当に概算でしかありません。

経験的に、現状のオチョコ量のロード用ハブでは
反フリー側ラジアル組みの左右同径2:1組みで
左右のスポークテンションがほぼ同じ(うっすら反フリー側が低い)
ということが分かっています。
左右異数スポークを手組みでやるのには
リスクが大きいというのが私の考えなので、
左右同数スポークで 左右それぞれのスポーク量を調整する
(フリー側の数値を大にする)には、
スポークの番手(スポーク比重)を変えるしかない、というのが
左右異径組みの理由です。
先ほども書いたように スポーク比重×本数だけのスポーク量は
スポークの長さや組み方を無視しているので、
仮に全チャンピの後輪であってもフリー側ラジアル組み、左右同本タンジェント組み、
左右異本タンジェント組み、反フリー側ラジアル組みで それぞれ
左右のスポークテンションの差が変わることは無視しています。
これはこれで 左右異本組みとして私のホイールに盛り込んでいますが。

次に、組み換え前後の前輪の左右比について。
オチョコの無い前輪だと、
左右のスポークのスポーク比重や スポーク長さは同じです。
なので、スポーク比重と本数の差だけで スポーク量の比較が出来ます。
同じハブとリムで前輪を組むとき、全てラジアル組みするとして
スポーク比重100%のスポークで24H(スポーク量2400)と
スポーク比重85%のスポークで28H(スポーク量2380)と
スポーク比重65%のスポークで36H(スポーク量2340)は
ほとんど同じ重量になります。
スポーク量が ほぼ同じなので。
スポーク量が同じというのは、リムとハブの間に存在する
スポークの総体積も同じということです。
これら3つのホイールは 重量が同じなわけですが
性能も同じかと言えば、違います。
「同じスポーク量であれば スポークの本数は多いほうがいい」
というのが 私の考えです。
そして現実的な範囲では、CX-RAY(スポーク比重65%)の
手組みの前輪のベストな本数は20Hです。
24Hにする必要は無いし(乗り手の体重次第では別ですが)、
16Hは少なすぎます。

CX-RAYの20Hのスポーク量は1300ですが、
これはチャンピオン14番プレーンの13Hに相当します。
経験的に、どう考えてもチャンピオン(またはCXでも同じ)で組んだ
13Hの前輪が まともに使えるとは思えません。
これが、スポーク量が同じなら
本数を多く分割したほうがいいという根拠です。

スポーク本数が少ないホイールの方が空力的に有利、というのは確かです。
CX-RAY20HとCX13Hの前輪は同重量ですが、
CX13Hのほうが空力的には優れているでしょう。
が、剛性的な安定感ではCX-RAY20Hのほうが上、というより
CX13Hは どう考えても危険なので、
空力を軽視するわけではないですが スポーク量の考えから
ある程度以上のスポーク本数を確保するという点では
要素の大小でいうと 小要素です。

じゃあスポーク量1300で、スポーク比重50%の26Hホイールや
スポーク比重10%の130Hホイールがあれば
それがCX-RAYの20Hよりいいのかというと、それはまた違います。
多くの乗り手にとってヌルいと思われないホイールにするために
ある程度は スポークを張りたいわけですが、
スポーク比重があまりに小さいと そこに達するまでに うにょーんを起こします。
冒頭のリンク先の記事でも、スポーク比重50%のスポークがあったとしても
「そんなスポークが実際にあれば うにょーんの発生は避けられませんが」
と書いています。

しっかり張りつつも 降伏点の手前で組み上げられる
スポーク比重であること、という条件を加えれば
65%の丸バテッドはNG、65%の扁平バテッドはOKということが
経験的に分かっています。
サピムの15番版CX-RAYと言える
1.8-(2.1-0.75)-1.8のCX-Superのスポーク比重は
カタログ重量から計算すると約54%(54.01%)ですが、
これが私の張りたいところまで張れるスポークなのかどうかは知りません。
もし カッチリ張れるなら24Hでスポーク量が1296となり
CX-RAYの20Hに対して「同スポーク量で本数が多いのでより良い」
となるわけですが。
たぶんならないという予想があるのと 15番スポークに抵抗があるので
私の常用する範囲での最小スポーク比重のスポークは
CX-RAYを落としどころとしています。


で、シマノの完組みホイールは最廉価モデルを除いて
前輪はリム高に関係なく16Hを採用するという暴挙に出ているわけですが、
ある程度以上のリム高であるならともかく C24とC35については
もし20Hに仕様変更すれば 要素の大小でいえば
メリットのほうが勝ると思われるので より良いホイールになります。
スポーク4本の重量増と空力のデメリットより、
剛性のメリットのほうがどう考えても 上だからです。
フロント16H・リヤ20Hというクソ仕様のおかげで、
C24より のむラボホイール5号のほうが硬いとか走ると言われることが
ほとんどですが、これは比較対象がしょぼいというだけのことです。
ローハイトリムのシマノホイールはフロント20H・リヤ24Hにするだけで
かなり化けると思われますが 意固地に現状を貫いてもらったほうが
私は助かりますので そのままでお願いします。

7850以降のデュラエースの前輪は、
実質の最小スポーク比重である 65%のスポークを採用しているので、
20H仕様にしつつ スポーク量を同じにするということは出来ません。

今回のお客さんの目的は、
ヌルいのでずっと放置していたこの前輪のスポーク量を、
あえて増やして軽量化ならぬ重量化のデメリット以上の
剛性面でのメリットを見込めないかということです。
ハブとリムが16Hなので、スポーク本数を増やして
スポーク量を調整することは もちろん不可能です。
ということは、スポーク比重のほうを いじるしかありません。

DSC04976msn.jpg
というわけで、あえてスポークを太くしました。
こちらのほうが走ると体感できるなら、
スポークの重量増は わりとどーでもいいというわけです。
私見ですが、登りに限定しても たわみが減るので
こっちのほうがいいのではないでしょうか。

組み換え前の状態も、私が点検がてら お客さんの希望もあり
多少増し締めをしたのですが、これと比べると
組み換え前は異常にヌルかった気さえします。
当店に現在、吊るしの範囲の上限程度に張ってある
WH-9000-C24-CLの前輪がありますが、
これの張りを確かめたあとだと 異常にヌルく感じられます。

実は、ここには載せなかったのですが
これの相方の後輪も 去年の12月にスポーク比重をいじっており
お客さんいわく 断然良くなったとのことです。
これのリヤハブは「通し」なので あまり扁平度が大きいスポークは使えませんが、
フロントハブは「引っかけ」なので 上の画像のようなエアロスポークが使えます。

DSC04977msn.jpg
7850のチューブレスホイールの前輪のスポークですが、
ニップルをスポークに通してから加工するという処理をしているので
両端ともがストレートスポークヘッドとなっており、
ニップル単体を回収できない構造になっています。
砂時計みたいなものです。

組み換え後のスポークは お客さんのお持ち込み品ですが、
リム側の端をチューブレス用ニップルに対応するように
加工というか ちょっと工夫する必要があります。
それの準備が去年の時点では足りなかったので
前輪のスポーク交換が出来ませんでした。

リヤハブ用のスポークは、ハブ側の端の処理が違うので
ニップルの回収が可能です。
これ以降のモデルの、グレーや銀の同形状のニップルを
それなりの数 持っているので それらのニップルで特殊スポークを作り、
赤ニップルが閉じ込められた元のスポークは
純正の状態に復帰させる可能性を残すために
そのままにしておきましょうと提案したのですが、
どうしても赤ニップルにしたいということなので
スポークを切ってニップルを回収しました。
赤ニップルの単体入手は 現状では無理です。
とっくの昔にスペアパーツの供給を やめております。

お持ち込みで 余ったスポークがあったので、
グレーニップルでチューブレス用スペアスポークを作り
お渡ししておきました。
リム側の端の処理ですが、

DSC04978msn.jpg
↑このようにすることでチューブレスに対応します。
ストレートスポーク仕様の黒CX-RAYに 同様の加工をすることで、
7850-TLの前輪のスポークの補修スポークが作れるので
このことは 覚えていて損は無いです。
非純正パーツで補修をするなや、とメーカーに言われそうですが
じゃあ純正パーツの供給を切るなやというのが 私の答えです。

category: スポークの話

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