のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

反フリー側ラジアル組みの話 その3  

反フリー側ラジアル組みの話、反響というかコメントが非常に多く寄せられています。
カテゴリにも「反フリーラジアル組みの話」というのを追加しました。
このブログは私の備忘録も兼ねていますので、
私が後から読み直したいような記事はこのようにまとめられることもあります。

では、いただいたコメントを。
「以前、アクシウムのモッサリ感が許せなくて、
リアのテンションキンキンにして使用していました。
しばらくは「おお、登る登る」などと調子こいて使っていましたが、
ニップル付近がどんどん膨らんでいきました。
完組みでもハンフリー・ラジアルは無理があるかも知れませんね。」
という内容です。

2006年デビューの初代アクシウムは左右タンジェント組みなので
2008年以降の2代目以降のアクシウムですね。
完組みホイールのスポークテンション(以下ST)は元々がすさまじいので、
左右のRK(ニップルがリムを食い破ろうとする力)の差が
最悪に大きい反フリー側ラジアル組みでは、
ヌルい反フリー側のSTを上げると
それと連動して上がるフリー側のSTによって
アクシウムのリム(550gくらい)でも
リム破損が起こるということなのでしょう。


では次の方。
ショップ勤務の経験者さんとのことです。

「さて、本題ですが、反フリーラジアルは、自分もダメだと思います。
アルバイトしていた当時、後輪で28Hの「ヨンゼロ組
(←この呼び方便利ですね)を組む機会がありました。
…が、出来はかかりが重いものになり、
後々「ロクロク組」に組替えた事がありました。
そのころからベンドスポークで反フリーラジアルは
「やるもんじゃないな」と思っています
。」
という内容です。

ここで重要なのは、同じ材料で組み方だけを変えているということですね。
純粋に組み方だけの違いで使用感が変わるということです。
ヨンゼロ組みで文句がないならそのまま使っているわけで・・・。

この方のコメントは何度も拝読させていただきました。
ここに書いてあるのはコメントのほんのさわりです。
あとを割愛したのは長いこともありますが 私の都合です。
いやー私のホイールの「そのこと」に気付いておられる方がいるとは。
これは元同業者ということもあるかと思いますが、
「考えて考えて」ホイールなり自転車なりに触れるという習慣が
ある方なのでしょう。
メールのほうでお礼を述べました。

自転車屋の店員というのは数を組む機会に恵まれているだけで、
基本的には××(検閲済)ばっかりです。
それよりはここにコメントを下さる方のほうが
はるかに自転車というものに深く向き合っている気がします。


では次の方。
あるショップの組んだ、アンブロージオのフォーミュラクロノ20を
反フリー側ラジアル組みしているホイールで
たびたび反フリー側のスポークがゆるむ、という内容の
コメントをいただいています。
「ご指摘の店舗と相違があれば申し訳ございません。
あと答えにくいとあらば、遠慮なくスルーして下さい。
よろしくお願いします。」
とのことです。

はい、相違ございません。あと
答えにくいですがスルーはしません。


DSC02776amx.jpg
タンジェント組みのスポークの交点を接触させるのを「編む」と表現しますが、
ラジアル組みでは当然「編み」がありません。
この編みにはニップルのねじ山がゆるみにくくなる効果があります。
これは私の経験的にも断言していいと思います。
「タンジェント組みだけど編みは無し」の手組みホイールは
やはりニップルがゆるみやすいです。

DSC02778amx.jpg
反フリー側ラジアル組みは、前輪のラジアル組みと違って
左右のスポークテンションが同じではありません。
DSC02779amx.jpg
後輪は、リムを左側へ変形させるストレスに弱いので、
DSC02780amx.jpg
変形時にニップルとリムの接触圧(RK)が減少します。
これは右側へのストレスでも起こっていますが、
左側向きのほうが大きいです。
かなり大げさに描くと上の図のように
リムからニップルの接触面が浮いた格好になります。

DSC02781amx.jpg
それを繰り返すと、ニップルの接触面をリムに何度も何度も打ち付けるストレスが
常にかかり続けている状態になります。
反フリー側ラジアル組みでは、反フリー側タンジェント組みよりも
この現象が はるかに顕著に起こるので、経験上でも
「スポークが1本だけカタカタにゆるむ」というのが起きやすいです。
これはねじ止め剤の工夫などである程度抑えられますが、
それでも確率的にはけっこうな頻度で起こります。

私は手組みホイールの地方発送もしていますが、
無用のトラブルをお客さんに最大限させないためにも
反フリー側ラジアル組みを避けています。
「駆動効率が悪い(かかりが悪い・モサッとしている)」以外にも
「ニップルがやたらとゆるむ」という理由ですね。
ストレートスポークであれば、首折れスポークではまず無理なSTで
ホイールを組めます。完組みホイールの反フリーラジアル組みで
この手の問題が比較的少ないのはそれが理由です。

以上、手組みで反フリー側ラジアル組みは止めといたほうがいい、
という話でした。
いただいたコメントをここに載せる際 抜粋・割愛こそしていますが
手組みでの反フリー側ラジアル組みを擁護・賛美するコメントを
無視したりはしていません。
そういうコメントが本当に1件も来ていないだけです。

category: 反フリー側ラジアル組みの話

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