のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

リムだけペアスポークの後輪を組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
DSC06774msn.jpg
お客さんから ペアスポークで組まれた後輪をお預かりしました。
メリダの完成車などに付いているホイールだと思われます。
このお客さんには のむラボホイールを買っていただいたことがあるのですが、
それが良かったので これも半コンペ結線ありにして欲しいとのことです。

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黒の14番プレーンスポーク28Hヨンヨン組みです。

DSC06777msn.jpg
すでに スポークの長さが分かっている以上、
ヨンヨン組みでいいなら これのスポーク長さをそのまま使えます。
もし、ホイールをバラす前に外周側から覗いて
例えば ちょっと短いなー、と思うのであれば1mm長くするなどの
加減が必要になる可能性はありますが・・・。

ヨンロク組みにするなら、反フリー側のスポーク長さだけ
計算すればいいやと思っていました。

が、そんなに甘くは無かったです。
仕様に関して手抜きしまくりのホイールだったので。

XEROのXSR-3など、リムの同じ位相に
左右とものニップルがあるホイールがあります(ニップルが横並びになっている)。
当然、ハブ側の穴も左右同じ位相にあいています。
あるいは、リム穴が少しずれているだけの
ロルフプリマのTDFなどを見ても分かりますが、
ペアスポークのリムでホイールを組むには
ハブ側の穴もペアスポーク仕様でないと いけません。

記事にはしていませんが、ちょっと前に ビアンキの完成車に付いている
ペアスポークのホイールの振れ取りをしたことがありますが、
シマノの廉価グレードのクラリスのハブで組んでありました。
吊るしのクラリスとペアスポーク穴のリムで組んでいるので、
スポークの引っ張り方向が 少しねじれていました。
そういう横着ができること自体にびっくりしたのですが・・・。

DSC06784msn.jpg
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時系列が飛びますが 今回の後輪をバラして ハブを調べたところ、
これも汎用ハブとペアスポークリムで組んでありました。

DSC06786msn.jpg
いずれまた詳しく書きますが、
上の画像のホイールは私物で
ジピエンメのメテオラというリムで組んだ後輪です。

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カーボンWOリムの草創期のもので、鬆が多くてちょっと怖いです。
クラックに見えるのはクラックではありません。
それはいいとして、

DSC06788msn.jpg
反フリー側の0本組みを見てみます。
通常、ラジアル組みは スポークの軌道を内側に延長すると
ハブの中心を通りますが、この後輪は通っていません。
進行方向 前側に位相を絞った形でねじれています。
これは、リムとハブのペアスポーク具合が合っていないからです。
同様に、フリー側のタンジェント組みの最終交差とハブ中心を結んだ線を
外側に延長すると 通常はラジアル線を通りますが
フリー側は進行方向 後ろ側に位相を絞った形でねじれています。
これでも、A-CLASSのペアスポークの完組みホイールで
メテオラと同程度のペアスポークのものを
ハブ欲しさに買ってバラし流用しているので まだマシなのですが、
汎用ハブでメテオラを組もうとすると ねじれがもっとひどくなります。
ねじれは ホイール右側が後ろ絞り、ホイール左側が前絞りになります。

タンジェント組みで ニップルの端面とスポークとの関係を
同じになるように組みたい場合、
片側のスポークで2種類の長さが必要になるということです。
ヤマアラシさん方向と反ヤマアラシさん方向で
計算上のスポーク長さが違うと言ってもいいです。

DSC06791msn.jpg
ラジアル線を定規で表現しました。
0本組みが傾いています。

DSC06790msn.jpg
フリー側だと こうなります。
ラジアル線が最終交差を通りません。

DSC06778msn.jpg
先ほどのホイールに戻ります。
反フリー側の「内側のスポーク(後述)」が 短すぎでした。
これは、現象としては起こりがちなので ある程度は仕方が無いのですが
ロングニップルで このねじ山の見た目になるのは全然ダメです。

DSC06779msn.jpg
短すぎる。
あと、マイナスドライバー状のビットで仮組みした
「ヘタクソ傷」がニップルにありますが、なぜかゆるめる側にもあります。
締める側だけのヘタクソ傷については(→こちら)の反フリー側が顕著です。

DSC06781msn.jpg
DSC06782msn.jpg
センターずれも大きめです。
どうせバラしますが。

DSC06795msn.jpg
組めました。
28H 黒半コンペヨンロク組みで、あとで結線もします。
フリー側は ほぼ同じスポーク長さ(ちょっと補正値入れた)で
スポーク比重が100%から85%になっていて、
反フリー側は 長さが6本組み用に長くなったものの
スポーク比重が約3分の2になったのが大きいので
スポーク長さが1.5倍にならない限り 軽量化になります。

DSC06783msn.jpg
びふぉー
DSC06799msn.jpg
あふたー
組み換え前のロングしんちゅうニップルは廃棄、
DTの12mmのしんちゅうニップルで組みました。
アルミニップルにしなかったのは お客さんの希望です。

DSC06798msn.jpg
組み換え後のフリー側、最終交差の根元のフランジ穴が
画像の端になるように撮りました。
タンジェント組みが 後ろねじれになっているのが分かります。
ヤマアラシさん方向のスポークが寝ている
(6本組みに近い角度になっている)ので、
ヤマアラシさん方向のスポークのほうが
スポークテンションが高くなります(異本組みの効果が出た形です)。
一応全てのスポークを測りましたが、どの最終交差も
H1STで ヤマアラシさん方向のスポークが1割程度 高くなっていました。

DSC06794msn.jpg
↑隣り合う最終交差4本を 1つのまとまりとして見てみます。
寝ているスポークは左右とも内側のスポークとなるので、
内側2本のスポークは 同じ側のフランジの外側2本のスポークより
高テンションになっています。
いずれ「ビーカー論」の話のときにも書くと思いますが、
スポークテンションを ある程度以上に張ると
テンションの多寡が乗り味にあまり反映されないゾーンに入ります。

こういうホイールを組む場合は、低いほうの外側2本が
そのゾーンに突っ込むところまでニップルを締めないといけません。
H1STなどで測らず、組み上がりの状態でスポークを握ると
最終交差の2本のテンション差を感じにくいのですが、
ここから均等に全てのニップルをゆるめていくと
外側2本だけが 極端にだるんだるんになってしまいます。
上の画像のスポークを進行方向後ろ側から
時計回りに1・2・3・4と番号付けしていくと、
スポークテンションの差は
2>4>>>3>1となります。
「>>>」がオチョコによる左右差で
「>」がねじれによる差です。

それとは別に、今回は最終交差の2本でスポークの長さを変えていないので
(先ほどのメテオラは変えてある)、
DSC06796msn.jpg
内側のスポークがニップルのすり割りまで、
DSC06797msn.jpg
外側のスポークがニップルの端面まで組めるように
スポーク長さを共用できるようにしています。
リムのペアスポーク具合がもう少し近ければ これは出来なくなります。
フリー側が後ろねじれになるのであれば
スポークの突き出しは内側のほうが多くなるのでは?と思うかも知れませんが
実際にやると外側のスポークを 内側よりも相当に増し締めしないといけないので
スポーク長さが同じなら このような結果になります。

ちなみに組み換え前のホイールですが、前後左右とも全て同じ長さで組まれていました。
最もスポークが突き出すフリー側の外側で
スポークがニップルの端面とツライチくらいだったので、
反フリー側の内側が あのねじ山の見え具合になるわけです。
せめて反フリー側のスポーク長さを フリー側+2mmにしていれば・・・。
それ以前に、ペアスポーク用のハブを用意しろよって話ですが。

DSC06800msn.jpg
DSC06801msn.jpg
ホイールを組んでいる最中に気が付いたのですが、
リムのブレーキゾーン内周側の シューが当たった痕跡がない部分の高さが
ブレーキゾーンに対して まちまちです。
上の画像2枚、同じ側のブレーキゾーンです 念のため。
見てませんが ひどい縦振れがあったようです。
で、その理由も分かりました。
先ほどのスポーク番号で言うと このホイールは
「1と2の左右ペア→3と4の左右ペア」の7回反復で
28Hになっているわけですが、スポークテンションは
先ほどの通り 2>4>>>3>1となっているので
縦振れがたいへん取りにくいのです。
ペアスポーク用のハブであれば これが2=4>>>3=1となり、
最終交差のスポーク2本のテンション差が無くなるので
フリー側>>>反フリー側という当たり前の状態になります。

DSC06792msn.jpg
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組み終わりでセンタードンピシャ、ここまでが長かった・・・。

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