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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

BB30のクランクシャフトが虫食っていました  

お客さんから「後ろの変速がおかしい」ということで バイクをお預かりしたのですが、
リヤ変速自体に異常はありませんでした。
具体的な症状はというと、ローギヤに入れたときに
「ジャコッ」と異音がするときがあるとのことですが・・・。
DSC08023amx9.jpg
FSAのゴッサマーのBB30クランクにシマノの11Sギヤを付けています。
このクランク、回すとチェーンリングが非真円ギヤのように
グワングワンと偏芯して見えるのです。
シマノは昔「バイオペース」という非真円ギヤを出していたことがありますが、
このチェーンリングは もちろん真円です。

DSC08021amx9.jpg
DSC08022amx9.jpg
↑こんな感じ
で、クランクアームの位相によって チェーンリングの歯先の高さが変わると
(非真円ギヤでも同様の現象が起きますが)リヤメカのプーリーケージが
前後に往復するように動きます。
ローギヤにチェーンをかけると
リヤメカの上プーリーとローギヤの間隔が狭くなりますが、
この偏芯により それがさらに狭くなる位相があり
そのときにスプロケットとプーリーの歯先同士が噛んで「ジャコッ」と鳴るのが
お客さんの言うところの「変速がおかしい」でした。

で、偏芯しているのは もちろんチェーンリングではありません。
左右のクランクアームを持って ゆすると、フレームに対して ガクガクと動きます。

DSC08024amx9.jpg
DSC08025amx9.jpg
↑こんな感じ
で、この時点ではカートリッジベアリングの中身が割れて
外輪に対して内輪が動いている、と思っていたのですが
左のベアリングは 回転が多少ガサついているものの問題無し、
右のベアリングは 回転が異常にノッソリしていますが
内輪が動くということはありません。
では ガタの原因は何なのかというと、
DSC08026amx9.jpg
DSC08028amx9.jpg
クランクシャフトのほうが削れてました。
ベアリングのほうは、内径が広がったりなどしていません。
ハブの虫食いと同じで、初めに小さな つまづきが生じて
それが段々と大きくなっていったようです。
フレームの中には 削れたアルミとグリスで出来た粘土状の汚れがありました。

DSC08029amx9.jpg
右のベアリングのみ抜きました。
回転が異常にノッソリしているのは、

DSC08030amx9.jpg
先ほど書いた粘土状の汚れが シールのすき間から侵入していたからです。
上の画像のシールは、内側に向いている面を撮っています。

DSC08031amx9.jpg
洗浄とグリスアップをして再度使うことにしました。
クランクは すぐに交換する必要がありますが、
お客さんは今 フレームを注文中で 半年後には来る予定なので
ベアリングは それまで使えればいいからです。

DSC08033amx9.jpg
左ベアリングは
DSC08034amx9.jpg
外側が汚れて
DSC08035amx9.jpg
いただけです。

お客さんは「最近 膝がガクガクするな」と思っていたそうですが
ガクガクしているのはクランクセットのほうでした。

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