クソみたいな名前のブランドのリムで後輪を組みました 
2018/11/29 Thu. 23:32 [edit]
前輪の続きです。

クソみたいな名前のブランドのリムで後輪を組みました。

エボライトハブ24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

↑この画像のホイールは回転している状態ですが、
横振れだけでなく縦振れも可能な限り きれいに取ってあります
(というより それをホイール組みと言うのでは・・・)。
このブランドのリムで、
リムサイドに弧を描いた線のペイントをしてあるものがありましたが
リムの外周からの高さが全く合っていないので
回転するとブルブルと上下に震えた見た目になっていました。
今回のリムはロゴやペイント、ステッカーの類はありませんが


ブレーキゾーンの縦幅が 位相によって まちまちなので
(上の画像、ゲージの位置は同じです念のため)
回転させると 見た目にブルブル震えています。
最も縦幅が狭い箇所でも
ブレーキシューに対して十分な幅はありますが、
これと出どころを同じくする他のリムでは
クリンチャーの場合 シューを当てる位置を
上端から1mm以上離せという指示があるものもあるので、
それをするなら 案外ギリギリかも知れません。
お客さんから タイヤとチューブレスバルブを お預かりしており、
鶏合え酢(→こちら)シーラント無しで エア抜けを見てほしいと言われていたので
前輪で調べたところ、数時間も もちませんでした。
シーラントは 入れておきます。
このリム、スポークテンションの上限が
180kgf(以下 kgfは省略)ということになっています。
上限が180だの200だのというリムは、
躊躇なく際限なくニップルを回した場合に 一番先に ぶっ壊れるのが
少なくともリムではなく、その点では実質 青天井というだけのことで
その他の材料(ハブ・スポーク・ニップル)が
同じところまで 耐えられるというわけではありません。
スタンズのアイアンクロスのように 上限が95というようなリムであれば
なんとか上限スレスレで組もうとは思うのですが、
180だと そもそもそれに耐えられるような
スポークやニップルというものがありません。
少なくとも汎用の材料では。
ホーザンのテンションメーターの換算表は上限が150になっています。
DTの換算表ではスポークのモデルによって上限が異なりますが
チャンピオンやニューエアロやアルパインIIIなどの
スポーク比重が大きいもので240、
それ以外だと180が上限になっています。
レボリューション(2.0-1.5-2.0mm)の場合
110あたりから うにょーんを起こし始めるので
180までは絶対に張れないと思いますが・・・。
仮にホーザンのテンションメーターで150以上を計測したい場合
DTのテンションメーターで第1STを測り DTの換算表で第2STを求め、
そのときにホーザンの第1STを採れば ホーザンの場合での換算表は作れます。
D1ST=第2ST=H1STというわけです。
で、リムに付属していた説明書によれば
「軽量リムのため150kgf程度での高テンションでの組立がお勧めです。」
とありました。
なぜ「軽量リム」だと「150kgf程度での高テンションでの組立」が
オススメになるのかは意味不明ですが
(重いリムなので張れます!とか
軽さのわりには硬いリムなので張れます!っていうのであれば分かる)、
リムの袋に お客さんが測った実測重量が書いてあり
それによればフロントリムが454g、リヤリムが455gなので
特段に軽いリムというわけではありません。
それはいいとして、私が気になったのは「150程度で組め」という表現です。
ニップルを締めると スポークが張って変形しにくくなるわけですが、
ニップルを締めた量とスポークの変形しにくさの関係は
当初 右肩上がりの比例直線に見えるものの、
あるところから「ニップルを回したわりには
スポークの変形しにくさに あまり反映されない」という
横ばいに近い関係になってきます。
いずれここで書くかも知れない「ビーカー論」も このことと関係しており、
とにかく ひとことで言うと
「ある程度以上は、張ってもホイールの感触にほとんど変化がない」と
いうことになります。
この「ある程度」というのはスポークの番手によって違いますが
だいたい120~130程度で、それ以上張っても
「より 硬くなった」と体感することは難しく、
ストレートスポークでもないなら 首とびのリスクが増すだけなので
やる意味は非常に薄いです。
また、多くのリムは上限が120程度であることが多く、
180どころか150張れるリムも まれです。
なので「150程度で張れ」というのは
スポークテンションの多寡が ホイールの剛性に
どこまでも右肩上がりで関係していると思っている
アホでないと出てこない言葉であり、
リムに対して専用のニップルを用意してるわけでもなく
汎用ニップルで それをやれというのも無茶が過ぎます。
というか真に受けて150で張ろうとしても
技術的に難しい あるいは無理だというショップも多いと思うのですが。
ホイールを組んでいる最中に スポークの首折れは起こらないと思いますが、
ニップルが壊れることはありえます。
カンパニョーロのボーラは リムに対して
工具のつかみしろの幅が対辺4mmの専用アルミニップル
(汎用品は3.2mmか3.4mm)を用意しています。
私の雑感では ボーラのリムは150まで張っても
直ちにぶっ壊れはしないと思いますが、
ボーラの指定テンションはフロントで90~115、
リヤのフリー側で100~125なのです。
以前 このブランドの吊るしのホイールで
シュータッチおよびフレームタッチを起こしたものを
私の組み直しにより 一切それが起こらなくした(事後調査してます)
ということがありましたが(→こちら)、
ボーラがシュータッチしまくるという話は聞いたことがありません。
理屈さえ良ければ、スポークテンションをギチギチに上げる必要はないのです。
リム以外のパーツの破損リスクを考えると 第2STを150で張ってはいけません。
過日のフレームタッチするクソ(日本語)ヌルホイールですが、
あれは元の状態でも150までは張っていなかったと思います。
そして、おそらく 吊るしの状態から150まで張ってもフレームタッチは解決しません。
というわけで今回、150という指示に従わず前後輪とも120強程度で組みました。
それでも このブランドの吊るしの仕様で 150まで張ったホイールよりは
かかりが良く横剛性が高いという自信がありますし、
スポークの首とびのリスクも低く抑えられていると思います。
もし このブランドのホイールの吊るしの仕様が
150で半コンペヨンロク組みすれば
120の半コンペヨンロク組みよりは(一応は)硬いホイールになりますが、
現時点で 左右異径異本組みを思いつけず、
しかも左右同数スポークの後輪でも
反フリー側ラジアル組みをやってしまうような頭の持ち主が
いきなり左右異径異本組みを始めたら
私の理論の剽窃と取られても仕方がないと思いますので、
まともなプライドがあるなら 変節はしないでしょう。
あと、ここのブランドが意味なしと断じた 結線はんだ付けを施すことによって
フリー側120程度という条件の中で より硬いホイールにしてあります。
サピムのスポークですが、
メーカーサイトに中央部の強度(strength on middle section)が載っており、
それによれば DTのコンペに相当するレースで130、
CX-RAYで160となっています。
この数値に達した瞬間 スポークがブチンと切れるわけではありませんが
この点からも 150で張るというのはリスクが大きいと考えられます。
文中のスポークテンションの数値ですが、
実は ホーザンとDTとサピムは N(ニュートン)、
カンパニョーロとスタンズは kgfで表記されています。
1kgf=9.80665Nなのですが ちょうど10倍での概算
(100kgf≒1000N)で問題ないと判断したので
記事中の数値はkgfに合わせました。

これはシマノのマニュアルにあるトルク値換算表ですが、

どこまでも10倍、つまりN・mにするとき
0をひとつ付け足しているだけになっています。
100kgfのときに980Nじゃないのはどーかと思いますし、
テキトーといえばテキトーなのですが、実際 実用上これで問題はありません。

クソみたいな名前のブランドのリムで後輪を組みました。

エボライトハブ24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。

↑この画像のホイールは回転している状態ですが、
横振れだけでなく縦振れも可能な限り きれいに取ってあります
このブランドのリムで、
リムサイドに弧を描いた線のペイントをしてあるものがありましたが
リムの外周からの高さが全く合っていないので
回転するとブルブルと上下に震えた見た目になっていました。
今回のリムはロゴやペイント、ステッカーの類はありませんが


ブレーキゾーンの縦幅が 位相によって まちまちなので
(上の画像、ゲージの位置は同じです念のため)
回転させると 見た目にブルブル震えています。
最も縦幅が狭い箇所でも
ブレーキシューに対して十分な幅はありますが、
これと出どころを同じくする他のリムでは
クリンチャーの場合 シューを当てる位置を
上端から1mm以上離せという指示があるものもあるので、
それをするなら 案外ギリギリかも知れません。
お客さんから タイヤとチューブレスバルブを お預かりしており、
鶏合え酢(→こちら)シーラント無しで エア抜けを見てほしいと言われていたので
前輪で調べたところ、数時間も もちませんでした。
シーラントは 入れておきます。
このリム、スポークテンションの上限が
180kgf(以下 kgfは省略)ということになっています。
上限が180だの200だのというリムは、
躊躇なく際限なくニップルを回した場合に 一番先に ぶっ壊れるのが
少なくともリムではなく、その点では実質 青天井というだけのことで
その他の材料(ハブ・スポーク・ニップル)が
同じところまで 耐えられるというわけではありません。
スタンズのアイアンクロスのように 上限が95というようなリムであれば
なんとか上限スレスレで組もうとは思うのですが、
180だと そもそもそれに耐えられるような
スポークやニップルというものがありません。
少なくとも汎用の材料では。
ホーザンのテンションメーターの換算表は上限が150になっています。
DTの換算表ではスポークのモデルによって上限が異なりますが
チャンピオンやニューエアロやアルパインIIIなどの
スポーク比重が大きいもので240、
それ以外だと180が上限になっています。
レボリューション(2.0-1.5-2.0mm)の場合
110あたりから うにょーんを起こし始めるので
180までは絶対に張れないと思いますが・・・。
仮にホーザンのテンションメーターで150以上を計測したい場合
DTのテンションメーターで第1STを測り DTの換算表で第2STを求め、
そのときにホーザンの第1STを採れば ホーザンの場合での換算表は作れます。
D1ST=第2ST=H1STというわけです。
で、リムに付属していた説明書によれば
「軽量リムのため150kgf程度での高テンションでの組立がお勧めです。」
とありました。
なぜ「軽量リム」だと「150kgf程度での高テンションでの組立」が
オススメになるのかは意味不明ですが
(重いリムなので張れます!とか
軽さのわりには硬いリムなので張れます!っていうのであれば分かる)、
リムの袋に お客さんが測った実測重量が書いてあり
それによればフロントリムが454g、リヤリムが455gなので
特段に軽いリムというわけではありません。
それはいいとして、私が気になったのは「150程度で組め」という表現です。
ニップルを締めると スポークが張って変形しにくくなるわけですが、
ニップルを締めた量とスポークの変形しにくさの関係は
当初 右肩上がりの比例直線に見えるものの、
あるところから「ニップルを回したわりには
スポークの変形しにくさに あまり反映されない」という
横ばいに近い関係になってきます。
いずれここで書くかも知れない「ビーカー論」も このことと関係しており、
とにかく ひとことで言うと
「ある程度以上は、張ってもホイールの感触にほとんど変化がない」と
いうことになります。
この「ある程度」というのはスポークの番手によって違いますが
だいたい120~130程度で、それ以上張っても
「より 硬くなった」と体感することは難しく、
ストレートスポークでもないなら 首とびのリスクが増すだけなので
やる意味は非常に薄いです。
また、多くのリムは上限が120程度であることが多く、
180どころか150張れるリムも まれです。
なので「150程度で張れ」というのは
スポークテンションの多寡が ホイールの剛性に
どこまでも右肩上がりで関係していると思っている
アホでないと出てこない言葉であり、
リムに対して専用のニップルを用意してるわけでもなく
汎用ニップルで それをやれというのも無茶が過ぎます。
というか真に受けて150で張ろうとしても
技術的に難しい あるいは無理だというショップも多いと思うのですが。
ホイールを組んでいる最中に スポークの首折れは起こらないと思いますが、
ニップルが壊れることはありえます。
カンパニョーロのボーラは リムに対して
工具のつかみしろの幅が対辺4mmの専用アルミニップル
(汎用品は3.2mmか3.4mm)を用意しています。
私の雑感では ボーラのリムは150まで張っても
直ちにぶっ壊れはしないと思いますが、
ボーラの指定テンションはフロントで90~115、
リヤのフリー側で100~125なのです。
以前 このブランドの吊るしのホイールで
シュータッチおよびフレームタッチを起こしたものを
私の組み直しにより 一切それが起こらなくした(事後調査してます)
ということがありましたが(→こちら)、
ボーラがシュータッチしまくるという話は聞いたことがありません。
理屈さえ良ければ、スポークテンションをギチギチに上げる必要はないのです。
リム以外のパーツの破損リスクを考えると 第2STを150で張ってはいけません。
過日のフレームタッチするクソ(日本語)ヌルホイールですが、
あれは元の状態でも150までは張っていなかったと思います。
そして、おそらく 吊るしの状態から150まで張ってもフレームタッチは解決しません。
というわけで今回、150という指示に従わず前後輪とも120強程度で組みました。
それでも このブランドの吊るしの仕様で 150まで張ったホイールよりは
かかりが良く横剛性が高いという自信がありますし、
スポークの首とびのリスクも低く抑えられていると思います。
もし このブランドのホイールの吊るしの仕様が
150で半コンペヨンロク組みすれば
120の半コンペヨンロク組みよりは(一応は)硬いホイールになりますが、
現時点で 左右異径異本組みを思いつけず、
しかも左右同数スポークの後輪でも
反フリー側ラジアル組みをやってしまうような頭の持ち主が
いきなり左右異径異本組みを始めたら
私の理論の剽窃と取られても仕方がないと思いますので、
まともなプライドがあるなら 変節はしないでしょう。
あと、ここのブランドが意味なしと断じた 結線はんだ付けを施すことによって
フリー側120程度という条件の中で より硬いホイールにしてあります。
サピムのスポークですが、
メーカーサイトに中央部の強度(strength on middle section)が載っており、
それによれば DTのコンペに相当するレースで130、
CX-RAYで160となっています。
この数値に達した瞬間 スポークがブチンと切れるわけではありませんが
この点からも 150で張るというのはリスクが大きいと考えられます。
文中のスポークテンションの数値ですが、
実は ホーザンとDTとサピムは N(ニュートン)、
カンパニョーロとスタンズは kgfで表記されています。
1kgf=9.80665Nなのですが ちょうど10倍での概算
(100kgf≒1000N)で問題ないと判断したので
記事中の数値はkgfに合わせました。

これはシマノのマニュアルにあるトルク値換算表ですが、

どこまでも10倍、つまりN・mにするとき
0をひとつ付け足しているだけになっています。
100kgfのときに980Nじゃないのはどーかと思いますし、
テキトーといえばテキトーなのですが、実際 実用上これで問題はありません。
category: のむラボ日記
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