GP4リムのホイールを点検しました 
2019/07/30 Tue. 22:54 [edit]
お客さんから マヴィックのGP4リムで組もうとしている
ホイールもどきをお預かりしました。

まずは前輪から。
前後輪とも「点検」してほしいとのことですが
現状がホイールと呼べる状態ではなく
作業も実際 ほぼ組み直しとなりました。
リムは タイヤを張った痕跡もブレーキ痕もないので新品、
ハブも 未使用品のようです。

フロントハブは1050系105の HB-1055です。
1050系105は 初代105ですが、このハブは後期モデルとなります。
前期モデルはHB-1050-Fという品番で
銀ハブ胴であり このハブのようにカーキ色のアルマイトにはなっていません。
フロントハブなのに 末尾に「-F」とフロントを意味する文字が付くのは
これの相方のリヤハブは フリーハブではなくボスハブなので
HB-1050-Rという品番になるからです。
この型式は デュラエーストラックのハブの品番でも同様です。

スポークは星の「ステンレス(一般名詞のステンレスではなく そういう商品名)」の
14-15番丸バテッドで、
☆マークの「ステンレス」で 偽物ではないので磁石に対して全く反応を示しません。
年代によっては ☆マークのスポークなのに磁石にうっすら反応を示す
(しかしスターブライトほどでもない)偽物の「ステンレス」が
存在するので 要注意です。
偽物と書きましたが、それも星スポーク製です。
材料や工程が変わったのか 作り分けを放棄したのかは知りませんが
とにかく往年の「ステンレス」とは別物です。

32HロクロクJIS組みで


センターずれ大、

スポーク長さは やや短めかと思いましたが
結果的には適正くらいでした(後述)。
縦振れがひどいということですが、

最も外周側に振れている位相が ここで、
ゲージをちょうど当てた位置をそのままにして
最も内周側に振れている位相を探すと

こうなります。
縦振れというか、これ単なる組みかけのホイールですよね。
振れの範疇だというなら 一応はこれにタイヤを履いて走れるかどうか
やってみればいい。
(ブレーキゾーンの狭さもあって)シューのセッティングも不可能だろうが。


スポークテンションも うにうにです。
あれだ、逆にキンキンに張る奴もいるので
それよりはマシだと思うことにしておこう。
重ねて書きますが これは点検ではなく
ホイール組みに近いです。
ある程度 組まれているほうがゴールに近いかというと そうでもなく、
スポークのねじ山に然るべきケミカルが塗布されているかとか
スポークの長さが適正かどうかとか
ミドリル処理がしてあるかどうか
(これはハトメありのリムなので関係ないですが)などで
ニップルを回す摺動抵抗や 最終テンションの限界が変わってくるので
出来上がりの状態は同じにはなりません。
が、あくまで点検だということらしいので この材料や組み方のままで
最善を尽くしてはみます。

↑フロントハブ

↑時系列とぶけどリヤハブ
お客さんの希望なので 作業前にハブのグリスアップをしています。

縦振れですが、リムの継ぎ目で
かすかにゲージが擦る以外は ほぼ取りきりました。
継ぎ目のふくらみ以上の縦振れはないということです
(これは外周側への振れの話で、内周側への振れも追い込んでいます)。

ニップルをかなりの増し締め傾向で調整したので
スポーク長さが むしろ適正付近で落ち着きました。


センタードンピシャです。

つづいて後輪。

FH-1056 32H 全「ステンレス」ロクロクJIS組みです。
先ほど書いたように
初代105のボスリヤハブは HB-1050-Rですが、
最初のフリーハブは FH-1050-6で末尾の数字の通り6S仕様、
その次がFH-1051-6(または-7)ですが、
これは末尾の数字が-6と-7の2種類あり
-7は7Sフリーボディ仕様です。
その次がFH-1055、末尾に数字は無いですが7S仕様のみで、
最後に出たFH-1056が これも末尾に数字無しですが
8Sフリーボディとなります。
なので このハブは 10Sスプロケットまでは取り付け可能です。

スポークが長すぎる。
フリー側だけ これくらい長いというのであれば
左右とも同じ長さのスポークで組んだ手抜きであることが多いのですが、
フリー側や反フリー側に関係なく
スポークのねじ山が出ていたり ツライチだったりします。
縦振れが ひどいからだと思っていましたが
整備後の状態でもところどころランダムに長い感じでした。
もう知らん。


リムが左側(反フリー側)に寄っています。
スポークとニップルの関係は 飛び出しまたはツライチで
ツライチ未満というのは ほとんどありません。
なので フリー側の増し締めでは無く
反フリー側をゆるめることで調整しないといけません。
幸いにして 前輪ほどヌルくはないので ゆるめ傾向の調整でも
一応ホイールの体裁は保てそうです。
スポーク総交換のほうが作業的にも楽なのですが
「点検」で 済まします。


前輪と同じ方法で見た縦振れの最大差は これくらいです。


縦横振れを取ってから センターも出しました。

リヤリムを逆向きで組んでいますが 気にしてはいけません。
バルブ穴から覗いた ハブ胴の位相も
意図を感じない位置関係でしたが 気にしてはいけません。

リムのラベルにあるアルマイト処理の通電は「650W」でした。
これについては 650V表記の場合もあります(→こちら)。
ホイールもどきをお預かりしました。

まずは前輪から。
前後輪とも「点検」してほしいとのことですが
現状がホイールと呼べる状態ではなく
作業も実際 ほぼ組み直しとなりました。
リムは タイヤを張った痕跡もブレーキ痕もないので新品、
ハブも 未使用品のようです。

フロントハブは1050系105の HB-1055です。
1050系105は 初代105ですが、このハブは後期モデルとなります。
前期モデルはHB-1050-Fという品番で
銀ハブ胴であり このハブのようにカーキ色のアルマイトにはなっていません。
フロントハブなのに 末尾に「-F」とフロントを意味する文字が付くのは
これの相方のリヤハブは フリーハブではなくボスハブなので
HB-1050-Rという品番になるからです。
この型式は デュラエーストラックのハブの品番でも同様です。

スポークは星の「ステンレス(一般名詞のステンレスではなく そういう商品名)」の
14-15番丸バテッドで、
☆マークの「ステンレス」で 偽物ではないので磁石に対して全く反応を示しません。
年代によっては ☆マークのスポークなのに磁石にうっすら反応を示す
(しかしスターブライトほどでもない)偽物の「ステンレス」が
存在するので 要注意です。
偽物と書きましたが、それも星スポーク製です。
材料や工程が変わったのか 作り分けを放棄したのかは知りませんが
とにかく往年の「ステンレス」とは別物です。

32HロクロクJIS組みで


センターずれ大、

スポーク長さは やや短めかと思いましたが
結果的には適正くらいでした(後述)。
縦振れがひどいということですが、

最も外周側に振れている位相が ここで、
ゲージをちょうど当てた位置をそのままにして
最も内周側に振れている位相を探すと

こうなります。
縦振れというか、これ単なる組みかけのホイールですよね。
振れの範疇だというなら 一応はこれにタイヤを履いて走れるかどうか
やってみればいい。
(ブレーキゾーンの狭さもあって)シューのセッティングも不可能だろうが。


スポークテンションも うにうにです。
あれだ、逆にキンキンに張る奴もいるので
それよりはマシだと思うことにしておこう。
重ねて書きますが これは点検ではなく
ホイール組みに近いです。
ある程度 組まれているほうがゴールに近いかというと そうでもなく、
スポークのねじ山に然るべきケミカルが塗布されているかとか
スポークの長さが適正かどうかとか
ミドリル処理がしてあるかどうか
(これはハトメありのリムなので関係ないですが)などで
ニップルを回す摺動抵抗や 最終テンションの限界が変わってくるので
出来上がりの状態は同じにはなりません。
が、あくまで点検だということらしいので この材料や組み方のままで
最善を尽くしてはみます。

↑フロントハブ

↑時系列とぶけどリヤハブ
お客さんの希望なので 作業前にハブのグリスアップをしています。

縦振れですが、リムの継ぎ目で
かすかにゲージが擦る以外は ほぼ取りきりました。
継ぎ目のふくらみ以上の縦振れはないということです
(これは外周側への振れの話で、内周側への振れも追い込んでいます)。

ニップルをかなりの増し締め傾向で調整したので
スポーク長さが むしろ適正付近で落ち着きました。


センタードンピシャです。

つづいて後輪。

FH-1056 32H 全「ステンレス」ロクロクJIS組みです。
先ほど書いたように
初代105のボスリヤハブは HB-1050-Rですが、
最初のフリーハブは FH-1050-6で末尾の数字の通り6S仕様、
その次がFH-1051-6(または-7)ですが、
これは末尾の数字が-6と-7の2種類あり
-7は7Sフリーボディ仕様です。
その次がFH-1055、末尾に数字は無いですが7S仕様のみで、
最後に出たFH-1056が これも末尾に数字無しですが
8Sフリーボディとなります。
なので このハブは 10Sスプロケットまでは取り付け可能です。

スポークが長すぎる。
フリー側だけ これくらい長いというのであれば
左右とも同じ長さのスポークで組んだ手抜きであることが多いのですが、
フリー側や反フリー側に関係なく
スポークのねじ山が出ていたり ツライチだったりします。
縦振れが ひどいからだと思っていましたが
整備後の状態でもところどころランダムに長い感じでした。
もう知らん。


リムが左側(反フリー側)に寄っています。
スポークとニップルの関係は 飛び出しまたはツライチで
ツライチ未満というのは ほとんどありません。
なので フリー側の増し締めでは無く
反フリー側をゆるめることで調整しないといけません。
幸いにして 前輪ほどヌルくはないので ゆるめ傾向の調整でも
一応ホイールの体裁は保てそうです。
スポーク総交換のほうが作業的にも楽なのですが
「点検」で 済まします。


前輪と同じ方法で見た縦振れの最大差は これくらいです。


縦横振れを取ってから センターも出しました。

リヤリムを逆向きで組んでいますが 気にしてはいけません。
バルブ穴から覗いた ハブ胴の位相も
意図を感じない位置関係でしたが 気にしてはいけません。

リムのラベルにあるアルマイト処理の通電は「650W」でした。
これについては 650V表記の場合もあります(→こちら)。
category: のむラボ日記
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