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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ホログラムのホイールを組み直しました(前輪だからというわけじゃないが前編)  

今日もホイー(以下略)。
DSC02099amx14.jpg
お客さんから キャノンデールのホログラムの
ディスクブレーキ用ホイールをお預かりしました。
前後輪とも組み直しますが 今日は前輪だけです。

DSC02100amx14.jpg
リム高は35mm高で、同じリムで組まれた
完組みホイールもあると思いますが
これは完成車の付属品の専用仕様で
エアロスポークではなく 丸スポークで組まれています。
左右とも コンペ相当の丸バテッド黒スポークで
8+16Hの2:1組みの24Hです。
左右異数組みの前輪というのは すごく難しいので、
アホが安易に手を出さないほうがいいと思うんだけどなあ・・・。

お客さんいわく 前後輪ともヌルいのは間違いないが、
後輪のかかりが悪いことより コーナリングで前輪がヨレるというか
ねじれ感が出ているのが すごく気になるとのことです。
スポークテンションについては 特段に張っているわけでは無いですが、
増し締めだけで解決する問題ではないのは明らかです。

DSC05151amx.jpg
↑これはXERO(ゼロ)というブランドのエンゲージというリムですが、
今回のホログラムのホイールは ゼロ製です。
画像のリムに ゼロのロゴがありますが

DSC02200amx14.jpg
スポークヘッドにロゴを刻印したものを用意する程度には
手が込んでいました。

DSC02208amx14.jpg
また、ハブベアリングのシールにもXEROとあります。
つづいてある表記の18307とは
内径18mm・外径30mm・厚み7mmという意味です。

DSC02209amx14.jpg
(今は)どーでもいいですが このベアリング、
交換時に抜きにくそうな構造のハブに圧入されています。

DSC02204amx14.jpg
ある点に注意して、左側16本のスポークを並べることにします。
上の画像、真ん中のテープは粘着側が上を向いています。

DSC02205amx14.jpg
並べました。

DSC02206amx14.jpg
私は お客さんがこのホイールが付いていた
完成車を買った時期を知っています。
大して使い込んでいるわけではないはずですが、
その割には最終交差の摩耗痕が顕著です。

DSC02215amx14.jpg
組めました。

DSC02216amx14.jpg
黒CXスプリント/黒CX-RAY逆異径組み結線ありです。
結線なしの、ホイールを組んだ時点での状態を
お客さんに見てもらっていますが
「元と全然違うやんけ!」と言われました。

しかし この記事の最大のバリューは そんなことではありません。
元の状態がクソ過ぎるので、それよりまともなホイールに
組み直したとて 自慢にはなりませんので。

まず このリム、オフセットリムではありません。
しかし内周側のリム穴に 2:1組み用の穴振りはあります。
右・左・左というよりは右・中央・中央といった感じですが
確実に穴振りはあります。

DSC02218amx14.jpg
これは相方の後輪ですが、右側から見たときに
リムの上にあるETRTO表記のステッカーが
DSC02219amx14.jpg
逆向きになっています。
組み直し前の前輪も同様でした。

前輪を右側から見て、バルブ穴から
反時計回りに隣のスポークが 2:1組みの少スポーク側
(つまり右フランジから出ているスポーク)という位置関係も
バラす前に確認しており、それを再現する形で 仮組みに入ったのですが
スポークを3本通した時点で あることに気付き 中断しました。
リムの穴振りとスポークの軌道が合っていません。
最初は「左右交互に穴振りがある
左右同数組み用のリムなのではないか」というのを疑ったのですが、
穴振りは先ほども書いたように 右・中央・中央です。

あと、この話には直接関係しませんが 2:1組みのパターンは
Ж(ジェー)組みではなく XI(エックスアイ)組みです。
もしЖ組みなら 穴振りについて中央・右・中央と書きます。

で、どういうことなのか調べたところ違和感の原因が判明しました。
元の状態は リムの左右を間違って組まれていました。

DSC02230amx14.jpg
ホイール半周分の ハブ~リム~ハブ型の
ホイールの展開図を描くことにします。
変形の過程は 上に描いた通りです。

DSC02234amx14.jpg
こうなります。
これはリムの向きが正しい場合です。
左フランジからのスポークのリム穴ですが、
説明の都合上 中央ではなく左寄りに描きました。
左フランジからのスポークは左寄りのリム穴に通り、
右フランジからのスポークは右寄りのリム穴に通っています。

ここから リムの向きを逆にするのですが・・・。
DSC02235amx14.jpg
先ほどの図から
バルブ穴から左右3つまでの穴振りの向きを描き出しました。
バルブ穴が球体で、ブドウの茎がそこから出たような形で描いています。
「リムの左右を逆にしてしまう」というのを ホイールの展開図で表現するなら、
上の図の青い矢印の軌道のように180°ぶん
くるっと回転させるのが正解です。
上の図の赤い矢印の軌道のように茎を回して向きを反転させるのは誤りです。

DSC02238amx14.jpg
ひとつ前の図と同じ向きの構造を描いたカードです。
これが リムの左右を間違えていない状態だとして、

DSC02239amx14.jpg
カードの差し込み方向を逆にしたのが
先ほどの青い矢印の挙動です。
これは今回の2:1組み または左右交互の穴振りの場合
バルブ穴の両隣の穴振りは変わりませんが、

DSC02240amx14.jpg
先ほどの赤の矢印の挙動は
カードの向きでいうと これに相当するので
穴振りが逆になってしまいます。

DSC02237amx14.jpg
リムの向きを逆にしました(間違った状態にしました)。
左フランジ側のタンジェント組みのうち、
片方の穴振りが合わなくなる
のが分かります。

この「間違ったリム穴」は リム穴3つごとに発生しますが、
スポークの軌道に合わないので
リム穴の輪郭に独特の引っぱり痕を残します。

DSC02210amx14.jpg
↑これ
その隣と そのまた隣のリム穴には この痕は無く、
そのまた隣、つまり 3つ隣には

DSC02211amx14.jpg
↑同じ痕があります。

DSC02212amx14.jpg
↑さらに 3つ隣

DSC02213amx14.jpg
↑そこからさらに 3つ隣

DSC02214amx14.jpg
↑そこからさらにまた 3つ隣
というのが計8ヵ所ありました。

DSC03858msn.jpg
これはHUNTのリムの外周部に貼ってあるステッカーで、
このリムは オフセットリムでも
左右異数組み用のリムでもないのですが、
スポークの角度が立っている側
(前輪ならローター台座側・後輪ならフリーボディ側)を
矢印の向きにして組めという指示があります。
こういうのがある場合、たとえ どー見ても左右差が無さそうな形状でも
わざわざ背く理由もないので 指示通りに組むわけですが
今回のXEROのリムには そういうステッカーが見当たりませんでした
(スタンズのテープ(←完成車の最初からの仕様)が貼ってありましたが
それを剥がした際に一緒にめくれた可能性はあります)。

後輪のリムのETRTOのステッカーが逆向きだったので、
「ETRTOのステッカーが ホイール完成時に
右側から見て正方向で読めるように組め」
という指示があるわけでもなさそうです。

となると最後は、XEROの中の組み手が
リム穴の穴振りに気をつけてホイールを組むという可能性に
期待するしかないわけですが、
私が仮組み時に感じた違和感を感じないくらいには
どうにも程度が低いようなので、どうしようもありません。
完全ランダムで組んだとすると 2つに1つは間違うことになるので
このシリーズで リムの左右を間違って組んでいるホイールは
かなり多いと思われます。
同じシリーズのホイールをお持ちの方は
一度 リム穴をよく見てみることをオススメします。

今回の件、ホイールをバラしてから気付いたことですが
これ、完成車の付属品なので もし左右を間違って組まれていた場合
無償交換の対象になるのかどうか気になります。
「たとえ左右逆であっても
怪我人や死人が出るほどの問題ではありません!」という
言い訳をされそうで それは事実でしょうが
(実際 私も引っぱり痕が出たリムで再度ホイールを組んでますし)、
特異な引っぱり痕が残る程度の間違いなのも事実です。

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