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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

R-SYS SLRさん  

お客さんから R-SYSSLRをお預かりしました。
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まずは前輪から。
下りで足を止めると異音がするというので
お預かりした理由は後輪にありますが、
前輪も点検をご希望です。

下りで足を止めたときにギュルギュルと鳴るのは
フリーボディ内部の油切れが原因で、
R-SYSに限って 立ちこぎのときにハブ辺りが
バキバキと鳴る場合は スポークを張ってトラコンプリングを替え
そのときに スポークヘッドとの間に固いグリスを噛ませれば
ほとんどの場合は直ります。
今回は前者だけのようです。

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うっすらセンターずれありで、マヴィックの前輪のうち
玉当たり調整用の6穴があるハブの場合
6穴側が左側になるので、それを根拠にして言うと
リムが左側にずれていました。

(R-SYSのカーボンスポークのニップルを締めるのを
「テンションを上げる」というと 厳密には不正確なのですが)
前輪は全般的にテンションが低く、張る必要を感じたので
全てのニップルを 少し増し締めしました。
振れもあり、左右ともにコチョコチョと触っていたら

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センターずれの量は ほとんど同じか、
むしろ うっすら増えたようにすら見えます。

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ちなみに ずれている向きは同じです。

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センターを出しました。

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時系列が戻りますが、ベアリングが日本のメーカーの
非接触シール式のものに交換されていました。
マヴィックが、回転が重たくなるのを承知で
基本的に 接触式シールを採用するのは
ベアリングまでのシールが甘い、
または ほぼ無い構造のハブが多いからで、
ベアリングのシールが最終防衛ラインになっているからです。

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トラコンプリングの回り止めのプラスチックの赤色が

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ダストシールのすき間から見える程度には
すき間が大きいです。

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また、左側のシールの6穴は 中が丸見えです。
絶対に(基本的に ではなく絶対に)雨の中を
走らないというのであれば
非接触シールでもいいかと思いますが。

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つづいて後輪。

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トラコンプリングを抜く前の、
何も触っていない時点での 暫定センターです。

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フリーボディは 油切れになっているのと、汚れも噛んでいました。

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前輪のトラコンプリングは交換しませんでしたが
後輪は交換します。
スポークヘッドとの接触点が すごく凹んでいるように見えますが

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指でぬぐうと こんな感じです。

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FTS-Lフリーボディは ハブ体側に爪があり
フリーボディ側にラチェットの山がある構造ですが、
このラチェットの山が あまりに磨耗すると
それ以外のパーツが新品で 注油をしっかりしていても
フリーボディに偏芯方向のガタを生じます。
上の画像は 今回のR-SYSのものですが
要交換というほど山が減っていないので 交換はしませんでした。

DSC02821msn4.jpg
これは 当店にある「これくらい減ったら間違いなく要交換」
という参考にしているフリーボディです。
ラチェットの山が減っているのと、
フリーボディ内部が汚れて 細かい砂を噛んだ場合
ハブ体と黄色いデルリンっぽい内側の部分が擦ることで
ハブ体側に削り跡が付きますが、
このフリーボディは デルリン側にも傷があります。

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↑ちなみに新品

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ハブ体側のパーツを全て洗浄しました。
爪よりも内側の部分が銀色の切削痕のようになっているのは
元からではなく、先ほど書いたデルリンとの
間接的接触によるものです。

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センター出しですが、元の量くらい ずれていても
反フリー側を ちょっとゆるめれば簡単に出せます。
あと どうでもいいことですが
「かんたん」の変換候補の一番上が「邯鄲」でした。

が、それは嫌なので フリー側 増し締め偏重で
振れ取りもしつつ、横振れがひと通り取れた状態が
上の画像です。
これ以上 フリー側を張るのは厳しいので

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ごくごくわずか反フリー側をゆるめて センター出しをしました。
上の画像の時点では トラコンプリングも圧入しています。

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