あたらしいデュラエースですが 
2021/09/01 Wed. 17:49 [edit]
R9200系デュラエースですが、
R9100系までで とくによく見られた問題を
しれっと無かったことにしています。
まず、もなか構造のクランクアームの
継ぎ目が めくれてくる件(→こちら)ですが
R9200のクランクアームは接着式から 中空の鍛造になりました。
というか昔の仕様に戻りました。
カセットスプロケットのスパイダ―アームが割れる件(→こちら)ですが、
アルミ製になり切削の形状も変わっています。
スパイダーアームの割れ問題は
材質がアルミのときから起こっていたので
今回の改変で起きなくなるかどうかは不明ですが。
横から見た冷却フィンの面積が広いディスクローター、
SM-RT900と800ですが
少し前から廃版となっており、そうなるんじゃないかと思ってましたが
R9200とR8100に対応するディスクローターが
MTB用(だった)RT-MT900と800になりました。
SM-RT900と800は
立ちこぎで擦りやすいとか 横風を食うとかで
あえてMTB系のローターを使うのが裏技・・・かと思ったら
いつの間にか みんな やってるという状態になっていましたが、
公式に認めたのは潔いです。
12Sのスプロケットは 従来の11SのHGフリーボディにも取り付け可能ですが、
新しいデュラエースの完組みホイールの後輪だけは
12Sスプロケットにしか対応しないという
シマノ的なアレが発動しているので要注意です
(アルテグラグレードの新ホイールは11Sスプロケットが使えます)。
11S化も12S化も時系列としては カンパニョーロのほうが先ですが、
11S化のときに 事実上 スプロケットの間隔を後追いで合わせたように
非公認ながら互換性を持たせてくれると(→こちら)
個人的な悪事がはかどるので
大変ありがたいのですが、今回は どうでしょうか。
フリーボディの刷新無しに 歯を さらに1枚詰め込むとなると
同じような寸法にならざるを得ないとは思うのですが。

↑従来のHGフリーボディとスプロケットの関係は こんな感じです。

↑これが12SのHG+では スプロケット側の切り欠きが増えていますが、
これは正確には フリーボディ側のスプラインの突起が増えたと言うべきで
スプロケットが フリーボディのスプラインの回転方向に食い込むのを
接触面積を増やすことで軽減する狙いがあると思われます。
書き忘れるところでしたが WH-R9200系のフリーボディは
チタンではなくアルミ製になりました。
突起が多いので、ぱっと見 マイクロスプラインに見間違えそうになります。

↑このように 12Sスプロケットを今までのフリーボディに通すのは可能で、
逆は無理ということです。
ここで要注意なのは、シマノが保証している互換性は
11Sのシマノホイールまたはシマノハブに対してのみであるということです。
カンパニョーロの12Sで あまり深刻な問題が起きていないので
考えすぎかもしれませんが、サードパーティのリヤハブに
シマノ12Sスプロケットを取り付ける段階まではOKだとしても、
スプロケットがハブ体と接触したり、
ローギヤにチェーンをかけているときに
チェーンとスポークが接触したりといった問題が起きないという保証はありません。
実際の例としては、初代R-SYSの後輪は
それが出た当時 想定していなかった
カンパニョーロ11Sのスプロケットを取り付けると
スプロケットとハブフランジが接触します(→こちら)。
あと、エボライトハブをカンパニョーロ用フリーボディにして
カンパニョーロ12Sスプロケットを取り付けると
スポークとチェーンが かなり近くなります。
新しい完組みホイールですが、現物を見ていないものの
スペック上・構成上は前作より良くなっています。
ロヴァ―ルよりマシ、くらいには なったんじゃないでしょうか。
どこかのサイトには 新しいデュラエースのホイールについて
「従来40mmと60mmのリムハイトが用意されていたが~」とありましたが
これは一部(4分の3くらい)誤りです。
R9100系のホイールには 自称C60と自称C40がありますが、
このうちWOリムのモデルは それ以前のC50とC35のリムと同じものなので、
リム高は名前に反してそれぞれ50mmと35mmです。
チューブラーリムのモデルは 外幅28mmのワイドリムとなって
時勢に沿った仕様ですが、C60はリム高が60mmであるものの
C40はリム高が37mmなので、
実は リム高が40mmというC40ホイールは存在しません。
R9200系のホイールは、リムブレーキ用が チューブラーリム仕様のみで
ディスクブレーキ用が チューブレスリム仕様と
チューブラーリム仕様があるという展開になっています。
リム高が36mm高のC36と 50mm高のC50は
スポークがCX-RAY相当のスポーク比重のもので組まれていて、
それとは別に スポーク比重がやや大きめのスポークで組んだ
C60-HRという 光合成(photosynthesis)・・・じゃなかった
高剛性(high rigidity)という60mm高リムのモデルがあります。
※↑rididryというミススペルのご指摘のコメントをいただいたので訂正しました。
このうち、C36のディスクブレーキ仕様の公称重量が飛び抜けて軽く、
もし剛性的にクソで無いなら ついに私も
熱い手のひら返しを見せる日が来るかもしれません。

R9200系と カンパニョーロの同じようなリム高のモデルである
ボーラ35(ワン&ウルトラ)と ボーラWTO33の
各仕様の公称重量を まとめました。
ボーラ35のWOリムモデルはチューブレス非対応ですが
便宜上 チューブレスの欄に書き込んでいます。
まず、全ての仕様が存在する ボーラ ワンですが、
リムブレーキ仕様に対して ディスクブレーキ仕様になると
後輪が20gほど軽くなるのに対して
前輪が80~90gも重たくなっています。
リムブレーキ仕様のスポーク本数は前後で18/21H、
これがディスクブレーキ仕様だと24/24Hですが、
ボーラ35のスポークのスポーク比重(CX-RAYより うっすら大きい)と
スポーク長さでは、スポーク1本とニップル1個で
だいたい5.5gほどなので 前輪はスポーク6本増で 約33g増、
あと フロントハブが「フリーボディ無しリヤハブ」のような
ハイローフランジになっていることを考えると
おそらくはディスクブレーキ用のリムのほうが
重たいのは確かであると思われるものの 80~90g増が
全て外周部に集中しているわけではありません。
WH-R9200とWH-R9270ですが、
両方で展開されているチューブラーリム仕様を比べると
ディスクブレーキモデルのほうが 圧倒的に軽くなっています。
誤植を疑うレベルですが、チューブレスリム仕様ですら
前輪については リムブレーキのチューブラーリム仕様に
肉薄する重量となっています。
リムブレーキモデルのR9200はスポーク本数が 前後で16/21H、
これがディスクブレーキモデルのR9270だと24/24Hですが、
R9200に対してスポーク本数が8本多くなるR9270の前輪の
スポークの重量増は 約30gとなります。
ということは、R9270のチューブラーリムの前輪は
R9200より スポークの部分で約30g重たくなっているのに
それを含めても 全体として80g軽くなっているというわけです。
これが事実なら、ディスクブレーキ用のリムは
リムブレーキ用のリムよりも 相当に軽いはずで、
たとえば リムの横っ腹を指で押したなら
ディスクブレーキ用リムのほうが
明確にペコペコするというくらいの差になるはずです。
が、ディスクブレーキモデルについて メーカーサイトでは
「リムブレーキモデルでも使用可能」と書いてあります。
チューブレスリムであってもです。ほんまかいな。
シマノのハブ、たとえば XTRでは100×15mmのフロントハブを
ハブシャフトのパーツ交換で クイックやBOOSTに変換・・・は できません。
残念ながら。
そういう融通は利かない代わりに、
142mmと148mmのリヤハブを比べると 148mmのリヤハブのほうが
フランジ幅を6mm広くしているという職人芸が光っています。
以前に書きましたが、XTのBOOSTリヤハブの
FH-M8110-Bは、FH-M8110に対して
オーバーロックナット寸法が6mm差なのに
フランジ幅を それ以上の6.99mm広げるという
すごいことをしていました(→こちら)。
おそらくは無理でしょうが、 もしR9270のハブシャフトを
R9200のものに換装できれば(クイック化ができれば)、
従来のリムブレーキ用のフレームで使う場合でも
R9270を使ったほうが性能的にも良いという可能性はあります。
あと、たいていの場合は非常に重たいのですが
リムブレーキ・ディスクブレーキ兼用という
ロード用のフレームセットが存在していて、
その場合はR9270を リムブレーキで運用することが可能です。
リムブレーキで 前輪にオチョコがあるのが気持ち悪い気がしますが。
余談ですが、私はロードバイクのブレーキは
フロントしか かけないのですが、
リムブレーキとディスクブレーキの両方が取り付け可能なフォークに
リムブレーキとディスクブレーキの両方を組み付け、
左右どちらのブレーキレバーも フロントブレーキというのは
どうだろうと考えたことはあります。
いわゆるワイヤー引きのディスクブレーキキャリパーにすれば
左右でレバーの形状が異なるという問題も起きません。
が、道交法上 アウトです。
R9100系までで とくによく見られた問題を
しれっと無かったことにしています。
まず、もなか構造のクランクアームの
継ぎ目が めくれてくる件(→こちら)ですが
R9200のクランクアームは接着式から 中空の鍛造になりました。
というか昔の仕様に戻りました。
カセットスプロケットのスパイダ―アームが割れる件(→こちら)ですが、
アルミ製になり切削の形状も変わっています。
スパイダーアームの割れ問題は
材質がアルミのときから起こっていたので
今回の改変で起きなくなるかどうかは不明ですが。
横から見た冷却フィンの面積が広いディスクローター、
SM-RT900と800ですが
少し前から廃版となっており、そうなるんじゃないかと思ってましたが
R9200とR8100に対応するディスクローターが
MTB用(だった)RT-MT900と800になりました。
SM-RT900と800は
立ちこぎで擦りやすいとか 横風を食うとかで
あえてMTB系のローターを使うのが裏技・・・かと思ったら
いつの間にか みんな やってるという状態になっていましたが、
公式に認めたのは潔いです。
12Sのスプロケットは 従来の11SのHGフリーボディにも取り付け可能ですが、
新しいデュラエースの完組みホイールの後輪だけは
12Sスプロケットにしか対応しないという
シマノ的なアレが発動しているので要注意です
(アルテグラグレードの新ホイールは11Sスプロケットが使えます)。
11S化も12S化も時系列としては カンパニョーロのほうが先ですが、
11S化のときに 事実上 スプロケットの間隔を後追いで合わせたように
非公認ながら互換性を持たせてくれると(→こちら)
個人的な悪事がはかどるので
大変ありがたいのですが、今回は どうでしょうか。
フリーボディの刷新無しに 歯を さらに1枚詰め込むとなると
同じような寸法にならざるを得ないとは思うのですが。

↑従来のHGフリーボディとスプロケットの関係は こんな感じです。

↑これが12SのHG+では スプロケット側の切り欠きが増えていますが、
これは正確には フリーボディ側のスプラインの突起が増えたと言うべきで
スプロケットが フリーボディのスプラインの回転方向に食い込むのを
接触面積を増やすことで軽減する狙いがあると思われます。
書き忘れるところでしたが WH-R9200系のフリーボディは
チタンではなくアルミ製になりました。
突起が多いので、ぱっと見 マイクロスプラインに見間違えそうになります。

↑このように 12Sスプロケットを今までのフリーボディに通すのは可能で、
逆は無理ということです。
ここで要注意なのは、シマノが保証している互換性は
11Sのシマノホイールまたはシマノハブに対してのみであるということです。
カンパニョーロの12Sで あまり深刻な問題が起きていないので
考えすぎかもしれませんが、サードパーティのリヤハブに
シマノ12Sスプロケットを取り付ける段階まではOKだとしても、
スプロケットがハブ体と接触したり、
ローギヤにチェーンをかけているときに
チェーンとスポークが接触したりといった問題が起きないという保証はありません。
実際の例としては、初代R-SYSの後輪は
それが出た当時 想定していなかった
カンパニョーロ11Sのスプロケットを取り付けると
スプロケットとハブフランジが接触します(→こちら)。
あと、エボライトハブをカンパニョーロ用フリーボディにして
カンパニョーロ12Sスプロケットを取り付けると
スポークとチェーンが かなり近くなります。
新しい完組みホイールですが、現物を見ていないものの
スペック上・構成上は前作より良くなっています。
どこかのサイトには 新しいデュラエースのホイールについて
「従来40mmと60mmのリムハイトが用意されていたが~」とありましたが
これは一部(4分の3くらい)誤りです。
R9100系のホイールには 自称C60と自称C40がありますが、
このうちWOリムのモデルは それ以前のC50とC35のリムと同じものなので、
リム高は名前に反してそれぞれ50mmと35mmです。
チューブラーリムのモデルは 外幅28mmのワイドリムとなって
時勢に沿った仕様ですが、C60はリム高が60mmであるものの
C40はリム高が37mmなので、
実は リム高が40mmというC40ホイールは存在しません。
R9200系のホイールは、リムブレーキ用が チューブラーリム仕様のみで
ディスクブレーキ用が チューブレスリム仕様と
チューブラーリム仕様があるという展開になっています。
リム高が36mm高のC36と 50mm高のC50は
スポークがCX-RAY相当のスポーク比重のもので組まれていて、
それとは別に スポーク比重がやや大きめのスポークで組んだ
C60-HRという 光合成(photosynthesis)・・・じゃなかった
高剛性(high rigidity)という60mm高リムのモデルがあります。
※↑rididryというミススペルのご指摘のコメントをいただいたので訂正しました。
このうち、C36のディスクブレーキ仕様の公称重量が飛び抜けて軽く、
もし剛性的にクソで無いなら ついに私も
熱い手のひら返しを見せる日が来るかもしれません。

R9200系と カンパニョーロの同じようなリム高のモデルである
ボーラ35(ワン&ウルトラ)と ボーラWTO33の
各仕様の公称重量を まとめました。
ボーラ35のWOリムモデルはチューブレス非対応ですが
便宜上 チューブレスの欄に書き込んでいます。
まず、全ての仕様が存在する ボーラ ワンですが、
リムブレーキ仕様に対して ディスクブレーキ仕様になると
後輪が20gほど軽くなるのに対して
前輪が80~90gも重たくなっています。
リムブレーキ仕様のスポーク本数は前後で18/21H、
これがディスクブレーキ仕様だと24/24Hですが、
ボーラ35のスポークのスポーク比重(CX-RAYより うっすら大きい)と
スポーク長さでは、スポーク1本とニップル1個で
だいたい5.5gほどなので 前輪はスポーク6本増で 約33g増、
あと フロントハブが「フリーボディ無しリヤハブ」のような
ハイローフランジになっていることを考えると
おそらくはディスクブレーキ用のリムのほうが
重たいのは確かであると思われるものの 80~90g増が
全て外周部に集中しているわけではありません。
WH-R9200とWH-R9270ですが、
両方で展開されているチューブラーリム仕様を比べると
ディスクブレーキモデルのほうが 圧倒的に軽くなっています。
誤植を疑うレベルですが、チューブレスリム仕様ですら
前輪については リムブレーキのチューブラーリム仕様に
肉薄する重量となっています。
リムブレーキモデルのR9200はスポーク本数が 前後で16/21H、
これがディスクブレーキモデルのR9270だと24/24Hですが、
R9200に対してスポーク本数が8本多くなるR9270の前輪の
スポークの重量増は 約30gとなります。
ということは、R9270のチューブラーリムの前輪は
R9200より スポークの部分で約30g重たくなっているのに
それを含めても 全体として80g軽くなっているというわけです。
これが事実なら、ディスクブレーキ用のリムは
リムブレーキ用のリムよりも 相当に軽いはずで、
たとえば リムの横っ腹を指で押したなら
ディスクブレーキ用リムのほうが
明確にペコペコするというくらいの差になるはずです。
が、ディスクブレーキモデルについて メーカーサイトでは
「リムブレーキモデルでも使用可能」と書いてあります。
チューブレスリムであってもです。
シマノのハブ、たとえば XTRでは100×15mmのフロントハブを
ハブシャフトのパーツ交換で クイックやBOOSTに変換・・・は できません。
残念ながら。
そういう融通は利かない代わりに、
142mmと148mmのリヤハブを比べると 148mmのリヤハブのほうが
フランジ幅を6mm広くしているという職人芸が光っています。
以前に書きましたが、XTのBOOSTリヤハブの
FH-M8110-Bは、FH-M8110に対して
オーバーロックナット寸法が6mm差なのに
フランジ幅を それ以上の6.99mm広げるという
すごいことをしていました(→こちら)。
おそらくは無理でしょうが、 もしR9270のハブシャフトを
R9200のものに換装できれば(クイック化ができれば)、
従来のリムブレーキ用のフレームで使う場合でも
R9270を使ったほうが性能的にも良いという可能性はあります。
あと、たいていの場合は非常に重たいのですが
リムブレーキ・ディスクブレーキ兼用という
ロード用のフレームセットが存在していて、
その場合はR9270を リムブレーキで運用することが可能です。
リムブレーキで 前輪にオチョコがあるのが気持ち悪い気がしますが。
余談ですが、私はロードバイクのブレーキは
フロントしか かけないのですが、
リムブレーキとディスクブレーキの両方が取り付け可能なフォークに
リムブレーキとディスクブレーキの両方を組み付け、
左右どちらのブレーキレバーも フロントブレーキというのは
どうだろうと考えたことはあります。
いわゆるワイヤー引きのディスクブレーキキャリパーにすれば
左右でレバーの形状が異なるという問題も起きません。
が、道交法上 アウトです。
category: のむラボ日記
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