デダのSL48Cの後輪を組み直しました 
2021/12/27 Mon. 22:53 [edit]
今日もホイー(以下略)。

デダのSL48Cホイールの後輪を組み直しました。
これは お客さんからの依頼ではなく、
デダを扱っている問屋さんから 特価品として仕入れた
リムブレーキ用のホイールセットです。
気に入らないことがいろいろあったので 売る前に手を加えました。

後輪は2:1組みですが、どこかのホイールと違って
最終交差の角度が鈍くなるように 設計してあります。
どこかのホイールと違って スポークをにぎにぎしたときに
フリー側のほうが かえって変形量が大きい(ヘタクソ2:1組み)
ということもありません。
ひとつのフランジから2本のスポークが出ていますが
これは私の好みの出し方です。

どういうことかというと、

ヤマアラシさん方向のスポークが
全てラージフランジ側から出ていて

反ヤマアラシさん方向のスポークが
全てスモールフランジ側から出ているということです。
駆動輪は こうあるべきだと思うのですが。

なので、全ての第1交差で ラージフランジのスポークと
スモールフランジのスポークが交わっており、
横から見たときに ハブ体と第1交差で切り取られる空間も
同じ形を反復しています(24Hの片側16Hなので8回)。
そんなん当たり前やんけと言われそうなので
そうでない事例も挙げておきます。

↑これはZIPPのハブですが、同じ向きのスポークが
ラージフランジとスモールフランジを交互に繰り返しているので
第1交差が ラージ側のスポーク同士と
スモール側のスポーク同士で交わるというのを
交互に繰り返しています。

スポークの軌道は ほぼ完全に
接線方向になるように配されています。
これは フランジ穴の径の違いを除けば
ひとつのフランジから出ている2本のスポークが
一直線になることからも明らかです。
というか リム穴が均等間隔でも こうなるように
フランジ径を設計したとしか考えられません。
穴をあけていないリムがあったとして、
フリー側のフランジから ほぼ接線のスポークを出して
リムにぶつかった位置に穴をあける、
その際 当然ながら均等間隔穴に必ずしもこだわらないという
設計の究極形がカンパニョーロのG3です。
スポークの軌道が完全接線で無い
(G3の見かけ上のまとまりの3本のスポークの両端の
フリー側の2本が完全に平行ではない)ことが多いのには
別のバイアスがかかっているからです。
これについては 私ではなく
カンパニョーロのメシノタネコードなので書きません。
カタログなどでも その点については触れていませんが、
偶然ということは ありえません。
このデダのハブには そのバイアスが無いので
ほぼ完全に接線で スポークを引いています。
「スポークの線分を スポークヘッドから完全接線と見なせるまで
延長した場合の仮想のフランジ径と、
実際のフランジ径に ほぼ違いが無い」というホイールは
手組みだと ハブ側の寸法的条件や組み方次第では
実現不可能では無いですが、
左右同数組みだと その条件「だけ」にこだわる
(要素の大小において過大評価する)なら
ヨンロク組みではなくロクロク組みのほうがいいとなってしまうことが多いので
手組みホイールでは まともなホイールを組めません。

これはロヴァ・・・どこかのブランドのヘタクソ2:1組みのホイールです。
↑お前 ここのホイール ディスるとき やたら生き生きしてるよな!
最終交差の挟角が鋭いのも よろしくないのですが、

スポークの軌道を接線と見なせるまで延長した場合の
仮想上のスポークヘッドは

↑ハブフランジに描いた白い点のあたりになります。
なので、このフリー側のフランジは ある意味
見た目ほど ラージフランジではないということです。
そして、今回のデダのリヤハブのフリー側のフランジは
この白い点と実際のスポークヘッドの位置が
ほぼ同じになっているということです。

フロントハブの左右とリヤハブの左フランジは
ラジアル組みで、可能な限りワイドフランジになっています。
このホイール、ハブの形状に関しては
なかなか良く出来ていると思うのですが、

唯一 スポークを編んでいる後輪のフリー側の最終交差の塗装が
新品なのに剥げていました。

時系列がとびますが バラしたスポークです。
Aという刻印がありますが これはアサヒ(すでに廃業)ではなく
イタリアのアルピナだと思われます。
文字のシャープさも そんな感じです。
確信に至る根拠もありましたが(後述)。

フリー側のスポークを並べると
スポークヘッドから一定の距離、最終交差の位置で

塗装が だいたい剥げています。
2本だけ剥げていないスポークがありますが、
これは 裏側が剥げている面というわけではありません。
バラすときに気付かなかっただけで、
実は 交差を編んでいなかったという可能性があります。

色が剥げている部分を 爪でカリカリとこすって
塗装欠けを広げようとしたところ、
段差が分かる程度の厚みの塗膜ではありましたが
これ以上は剥げませんでした。
スポーク同士が接触していないラジアル組みであれば
塗装欠けは 容易に発生しないようです。
フリー側のスポークだけを 黒CX-RAYストレートや
黒CXスプリントに換えたいのですが、
それをするなら このスポークのスポーク比重を知る必要があります。
16本もあれば充分です。

274mmが16本で76.9gなので
スポーク比重は0.682529・・・なので
68%ということでいいでしょう。
このスポーク、私の測り方では274mmでしたが
公称長さは275mmです。
仮に275mmだとすると0.680049・・・なので
やはり68%となります。
2:1組みのホイールは左右同径か
少スポーク側のスポーク比重を大きくする左右逆異径組みにするべきなので、
反フリー側のスポークを そのまま使い回すなら
フリー側はCX-RAYしか選択肢がありません。
CXスプリントにする場合は 左右とも交換する必要があります。
フリー側のみCX-RAYとした場合は
フリー側の最終交差を結線したくなる気がしたので
全CXスプリントで組み直すことにしました。
ちなみに、黒CX-RAY16本よりも
黒CXスプリント24本のほうが安いです。

時系列が戻ってバラす前の状態ですが、
デダのホイールのニップルは DTやサピムの3.2mmでもなく
星などの3.4mmでもなく、3.3mmです。
ハンドルバーのクランプ径も 31.8mmではなく
公称31.7mmとしているデダのやりそうな
しょーもない自社規格です。
内周側の四角のつかみしろが短く 角も丸いので
まず間違いないと思っていましたが、
外周側にも六角のつかみしろがあったので
バラすのも組み直しも 全て外周側を回しています。

使い込んで すり減った3.2mm用のニップル回しが
通らないではありませんが、

専用のニップル回しも 一応 買っています。
応急的な振れ取りは こちらを使ってもいいかもしれません。
書き忘れていましたが SL48Cホイールはチューブレスレディリム仕様です。
ホイールには チューブドタイヤで使う人のために
ストレッチバンドタイプのリムテープが付属しており、
その場合は振れ取りのために
タイヤとリムテープを一旦外すのは それほど手間ではありません。
チューブレスタイヤで運用していて、シーラントを入れていて
チューブレステープを貼っているという場合は
私でも 内周側を触るかもしれません。

ニップル回しの品番はWD76です。
WDは ホイール デダを意味すると思われます。
スポークの場合はWDSPのあとに公称長さの数字が続きます。
このことから、リム高などに関わらず
どのモデルであっても 同じ番手のスポークを採用していると思われます。
あと、台湾製だと書いてあります。

内周側のリム穴に2:1組み用の穴振りがあったので、
16+8Hの24Hリムを 12+12Hの24Hリムとして
エボライトハブで組み直す案もあったのですが断念しました。
上の画像ですが、外周側にも工具の軌道に合わせた穴振りがあり
たとえばフリー側のスポークのリム穴は 左側に振っています。

ハブを換えようと思ったのは、
カンパニョーロ用フリーボディだったからです。
リムの穴振りを確認してからは シマノ用フリーボディに交換して
このハブで組み直す方針で確定しました。

バラしました。

リムの実測重量です。

組め

まし

た。

全黒CXスプリントストレートです。
フリー側の結線は やりません。
フリーボディは シマノ用に交換しています。

フリーボディの品番はWD17Nで、
カンパニョーロ用を見たときはエドコ製かと思ったのですが
爪起こしバネなどを見ると CHOSEN(チョーズン)製のようです。
これもまた台湾製です。

つづいて前輪。

けっこうなワイドフランジで、
アルピナの68%黒エアロスポーク18H ラジアル組みです。
前輪はスポークの交換は やりません。


センターずれがあったのと ちょっと振れていたのを


直しました。
前輪は 特殊というか入手困難なスポークのままで
販売するわけですが、もしスポークを曲げたり折れたりしたら
どないすんねんという懸念を払拭すべく

問屋さんから 先にスポークを仕入れてあります。
問屋さんのスポークの在庫が
ホイールを取り扱うつもりとは思えない少数だったので
結果として買い占めています。
他店で このホイールのスポーク交換をできない期間が
少なくとも あと数ヵ月は発生すると思いますが
それは私の知ったことではありません。
スポークの品番が WDSP262なので、
公称長さは 262mmということです。
そして、イタリア製と書いてあります。
これがスポークヘッドの刻印に加えて
アルピナ製と断定した根拠です。
考えにくいことですが、
このスポークの本数以上にスポークを破損した場合などは
全てCXスプリントなどに張り替えてでも修理の対応をします。
直せないホイールが嫌いなんでな。
この SL48Cホイールですが、1セット限定で特価での販売をします。
現状 シマノ用フリーボディですが、
カンパニョーロ用への変更も可能です。元々そうだったので。
税別定価236454円、税込定価260100円のところ・・・。
いつものところに書いておきます。
あと、来店者限定品とさせてください。

デダのSL48Cホイールの後輪を組み直しました。
これは お客さんからの依頼ではなく、
デダを扱っている問屋さんから 特価品として仕入れた
リムブレーキ用のホイールセットです。
気に入らないことがいろいろあったので 売る前に手を加えました。

後輪は2:1組みですが、どこかのホイールと違って
最終交差の角度が鈍くなるように 設計してあります。
どこかのホイールと違って スポークをにぎにぎしたときに
フリー側のほうが かえって変形量が大きい(ヘタクソ2:1組み)
ということもありません。
ひとつのフランジから2本のスポークが出ていますが
これは私の好みの出し方です。

どういうことかというと、

ヤマアラシさん方向のスポークが
全てラージフランジ側から出ていて

反ヤマアラシさん方向のスポークが
全てスモールフランジ側から出ているということです。
駆動輪は こうあるべきだと思うのですが。

なので、全ての第1交差で ラージフランジのスポークと
スモールフランジのスポークが交わっており、
横から見たときに ハブ体と第1交差で切り取られる空間も
同じ形を反復しています(24Hの片側16Hなので8回)。
そんなん当たり前やんけと言われそうなので
そうでない事例も挙げておきます。

↑これはZIPPのハブですが、同じ向きのスポークが
ラージフランジとスモールフランジを交互に繰り返しているので
第1交差が ラージ側のスポーク同士と
スモール側のスポーク同士で交わるというのを
交互に繰り返しています。

スポークの軌道は ほぼ完全に
接線方向になるように配されています。
これは フランジ穴の径の違いを除けば
ひとつのフランジから出ている2本のスポークが
一直線になることからも明らかです。
というか リム穴が均等間隔でも こうなるように
フランジ径を設計したとしか考えられません。
穴をあけていないリムがあったとして、
フリー側のフランジから ほぼ接線のスポークを出して
リムにぶつかった位置に穴をあける、
その際 当然ながら均等間隔穴に必ずしもこだわらないという
設計の究極形がカンパニョーロのG3です。
スポークの軌道が完全接線で無い
(G3の見かけ上のまとまりの3本のスポークの両端の
フリー側の2本が完全に平行ではない)ことが多いのには
別のバイアスがかかっているからです。
これについては 私ではなく
カンパニョーロのメシノタネコードなので書きません。
カタログなどでも その点については触れていませんが、
偶然ということは ありえません。
このデダのハブには そのバイアスが無いので
ほぼ完全に接線で スポークを引いています。
「スポークの線分を スポークヘッドから完全接線と見なせるまで
延長した場合の仮想のフランジ径と、
実際のフランジ径に ほぼ違いが無い」というホイールは
手組みだと ハブ側の寸法的条件や組み方次第では
実現不可能では無いですが、
左右同数組みだと その条件「だけ」にこだわる
(要素の大小において過大評価する)なら
ヨンロク組みではなくロクロク組みのほうがいいとなってしまうことが多いので
手組みホイールでは まともなホイールを組めません。

これはロヴァ・・・どこかのブランドのヘタクソ2:1組みのホイールです。
最終交差の挟角が鋭いのも よろしくないのですが、

スポークの軌道を接線と見なせるまで延長した場合の
仮想上のスポークヘッドは

↑ハブフランジに描いた白い点のあたりになります。
なので、このフリー側のフランジは ある意味
見た目ほど ラージフランジではないということです。
そして、今回のデダのリヤハブのフリー側のフランジは
この白い点と実際のスポークヘッドの位置が
ほぼ同じになっているということです。

フロントハブの左右とリヤハブの左フランジは
ラジアル組みで、可能な限りワイドフランジになっています。
このホイール、ハブの形状に関しては
なかなか良く出来ていると思うのですが、

唯一 スポークを編んでいる後輪のフリー側の最終交差の塗装が
新品なのに剥げていました。

時系列がとびますが バラしたスポークです。
Aという刻印がありますが これはアサヒ(すでに廃業)ではなく
イタリアのアルピナだと思われます。
文字のシャープさも そんな感じです。
確信に至る根拠もありましたが(後述)。

フリー側のスポークを並べると
スポークヘッドから一定の距離、最終交差の位置で

塗装が だいたい剥げています。
2本だけ剥げていないスポークがありますが、
これは 裏側が剥げている面というわけではありません。
バラすときに気付かなかっただけで、
実は 交差を編んでいなかったという可能性があります。

色が剥げている部分を 爪でカリカリとこすって
塗装欠けを広げようとしたところ、
段差が分かる程度の厚みの塗膜ではありましたが
これ以上は剥げませんでした。
スポーク同士が接触していないラジアル組みであれば
塗装欠けは 容易に発生しないようです。
フリー側のスポークだけを 黒CX-RAYストレートや
黒CXスプリントに換えたいのですが、
それをするなら このスポークのスポーク比重を知る必要があります。
16本もあれば充分です。

274mmが16本で76.9gなので
スポーク比重は0.682529・・・なので
68%ということでいいでしょう。
このスポーク、私の測り方では274mmでしたが
公称長さは275mmです。
仮に275mmだとすると0.680049・・・なので
やはり68%となります。
2:1組みのホイールは左右同径か
少スポーク側のスポーク比重を大きくする左右逆異径組みにするべきなので、
反フリー側のスポークを そのまま使い回すなら
フリー側はCX-RAYしか選択肢がありません。
CXスプリントにする場合は 左右とも交換する必要があります。
フリー側のみCX-RAYとした場合は
フリー側の最終交差を結線したくなる気がしたので
全CXスプリントで組み直すことにしました。
ちなみに、黒CX-RAY16本よりも
黒CXスプリント24本のほうが安いです。

時系列が戻ってバラす前の状態ですが、
デダのホイールのニップルは DTやサピムの3.2mmでもなく
星などの3.4mmでもなく、3.3mmです。
ハンドルバーのクランプ径も 31.8mmではなく
公称31.7mmとしているデダのやりそうな
しょーもない自社規格です。
内周側の四角のつかみしろが短く 角も丸いので
まず間違いないと思っていましたが、
外周側にも六角のつかみしろがあったので
バラすのも組み直しも 全て外周側を回しています。

使い込んで すり減った3.2mm用のニップル回しが
通らないではありませんが、

専用のニップル回しも 一応 買っています。
応急的な振れ取りは こちらを使ってもいいかもしれません。
書き忘れていましたが SL48Cホイールはチューブレスレディリム仕様です。
ホイールには チューブドタイヤで使う人のために
ストレッチバンドタイプのリムテープが付属しており、
その場合は振れ取りのために
タイヤとリムテープを一旦外すのは それほど手間ではありません。
チューブレスタイヤで運用していて、シーラントを入れていて
チューブレステープを貼っているという場合は
私でも 内周側を触るかもしれません。

ニップル回しの品番はWD76です。
WDは ホイール デダを意味すると思われます。
スポークの場合はWDSPのあとに公称長さの数字が続きます。
このことから、リム高などに関わらず
どのモデルであっても 同じ番手のスポークを採用していると思われます。
あと、台湾製だと書いてあります。

内周側のリム穴に2:1組み用の穴振りがあったので、
16+8Hの24Hリムを 12+12Hの24Hリムとして
エボライトハブで組み直す案もあったのですが断念しました。
上の画像ですが、外周側にも工具の軌道に合わせた穴振りがあり
たとえばフリー側のスポークのリム穴は 左側に振っています。

ハブを換えようと思ったのは、
カンパニョーロ用フリーボディだったからです。
リムの穴振りを確認してからは シマノ用フリーボディに交換して
このハブで組み直す方針で確定しました。

バラしました。

リムの実測重量です。

組め

まし

た。

全黒CXスプリントストレートです。
フリー側の結線は やりません。
フリーボディは シマノ用に交換しています。

フリーボディの品番はWD17Nで、
カンパニョーロ用を見たときはエドコ製かと思ったのですが
爪起こしバネなどを見ると CHOSEN(チョーズン)製のようです。
これもまた台湾製です。

つづいて前輪。

けっこうなワイドフランジで、
アルピナの68%黒エアロスポーク18H ラジアル組みです。
前輪はスポークの交換は やりません。


センターずれがあったのと ちょっと振れていたのを


直しました。
前輪は 特殊というか入手困難なスポークのままで
販売するわけですが、もしスポークを曲げたり折れたりしたら
どないすんねんという懸念を払拭すべく

問屋さんから 先にスポークを仕入れてあります。
問屋さんのスポークの在庫が
ホイールを取り扱うつもりとは思えない少数だったので
結果として買い占めています。
少なくとも あと数ヵ月は発生すると思いますが
それは私の知ったことではありません。
スポークの品番が WDSP262なので、
公称長さは 262mmということです。
そして、イタリア製と書いてあります。
これがスポークヘッドの刻印に加えて
アルピナ製と断定した根拠です。
考えにくいことですが、
このスポークの本数以上にスポークを破損した場合などは
全てCXスプリントなどに張り替えてでも修理の対応をします。
直せないホイールが嫌いなんでな。
この SL48Cホイールですが、1セット限定で特価での販売をします。
現状 シマノ用フリーボディですが、
カンパニョーロ用への変更も可能です。元々そうだったので。
税別定価236454円、税込定価260100円のところ・・・。
いつものところに書いておきます。
あと、来店者限定品とさせてください。
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