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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

オープンプロリムの後輪のフリー側のヌポークを全交換しました  

お客さんから オープンプロCDリムで組まれた後輪をお預かりしました。
DSC06828msn4.jpg
シクロクロスで使っていたものだということです。
リムサイドまでハードアルマイトで覆われた
「CD」という仕様なので、
ディスクブレーキ用リムとして使っても
一般的なアルミ剥き出しのリムサイドに
白い錆びが湧くようなこともありません。

DSC06831msn4.jpg
ハブはXTのFH-M755です。
750系XTの末尾5で ディスクブレーキ用という意味で、
シマノで最初のディスクブレーキ用ハブになります。
スルーアクスルやセンターロック仕様などは 当時 存在しておらず、
オーバーロックナット寸法135mmのクイック仕様です。

32HロクロクJIS組みで、
DSC06829msn4.jpg
スポークはホイールスミスの15番プレーンです。
リムやハブの年代と合致する頃に組まれたものであれば
このスポークは アサヒスポーク製です。
ホイールスミスは 首折れの角度にこだわりがあるブランドで、
メーカーサイトでも「疲労に対する寿命を最大化するための
特別設計のエルボー部分」を特徴として謳っていますが、
元来 スポークの生産設備を持っていなかったので
かつては日本のアサヒをOEM元としていました。

DSC06838msn4.jpg
で、お預かりした理由ですが
チェーン落ちで フリー側のヌポーク8本全てに
程度の差はあれ ダメージがあるので交換してほしいとのことです。
厳密には 交換の判断は私に委ねられましたが。

DSC06837msn4.jpg
えぐれていてヤバイのが2本と、
他にも 曲がっているスポークもあったので
ヌポークの全交換をします。
JIS組みやイタリアン組みでは
フリー側のヌポークはヤマアラシさん方向のスポークになりますが、
これが逆JIS組みや逆イタリアン組みだと
反ヤマアラシさん方向のスポークになります。
フリー側のヌポークが反ヤマアラシさん方向であった場合
チェーン落ちに対するダメージが ヤマアラシさん方向より
軽微になることが多い、というのが
おそらくは アメリカ人が後輪を逆イタリアン組みで組む理由です。
リムブレーキとディスクブレーキで 後輪を同じ組み方に出来るという点も
作業上の負荷が少ないのかもしれません。

DSC06833msn4.jpg
左右の最終交差をテグス(→こちら)で 結線していました。
一応は結びの結線になっています。
巻きの結線は 鋼線を巻いただけのところにハンダ付けをして
ハンダを以って 初めて結束が固定されているという状態なので、
テグスでやるなら 瞬間接着剤を垂らす必要がありますが
この結線には接着剤が使われていません。

このホイールが送られてきたのは 実は修理うんぬんではなく
私が これについて どんなことを書くか見るためだと邪推しています。
最終交差をにぎにぎすると、鋼線の結束より ゆらぎが大きいですが
やる意味がある程度には 結束は固定されています。

DSC06834msn4.jpg
ほどけている箇所もありましたが
これでも にぎにぎして弾けないくらいには縛ってありました。

DSC06839msn4.jpg
DSC06840msn4.jpg
スポークの長さは ニップルの端面とツライチで適正です。
ニップルの端に120°位相で 線が切ってありますが
(内ひとつは ニップルのすり割りで消えていますが)
これは 15番ニップルであることの目印です。

DSC06841msn4.jpg
1ヵ所、目立つ横振れがありました。
その位相で振れ取り台のゲージがリムに接する状態にすると

DSC06842msn4.jpg
それ以外の位相では これくらい空きます。
この、横振れと関係ない位相での暫定センターが

DSC06849msn4.jpg
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↑これです。反フリー側に大きくずれています。
振れている位相で暫定センターを見ると
この結果が他の位相と変わるので
最も横振れが大きい位相を探したうえで 避けました。
先ほどの画像の横振れは フリー側に振れていたので
もし わざわざ最も振れている位相直下で暫定センターを見たならば
このセンターずれの量は減りますが、
それでも反フリー側にずれているのは同じです。

DSC06845msn4.jpg
ニッパーでテグスを切って 最終交差を握りました。

DSC06847msn4.jpg
ヌポーク8本を抜き取りました。

DSC06848msn4.jpg
↑反ヤマアラシさん旋風

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ヌポーク8本を補填し、フリー側の増し締め偏重で横振れを取ってから
全てのフリー側のスポークを ちょうど1周ずつ締めた状態です。
元がヌルいので、フリー側の増し締め偏重で センター出しが出来ました。
まだ紙2~3枚ほど ずれていますが。
そこそこ張ってある完成状態のホイールで
フリー側を さらに1周ずつ締めるというのは 通常は無理です。
少なくとも のむラボホイールでは無理です。

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センターを出しました。
スポークですが、サピムの黒リーダーの15番を使っています。

DSC06855msn4.jpg
DSC06856msn4.jpg
直りました。
増し締めによって フリー側のスポークの変形量について
結線の有無で ほぼ変わらないところまで張れたので、
フリー側の結線は やりません。

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DSC06863msn4.jpg
↑交換したスポーク

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