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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

WH-R8170-C36-TL-Rを組み直しました  

今日もホイー(以下略)。
DSC09491amx14.jpg
お客さんから 現行アルテグラのC36の
チューブレスリムの後輪をお預かりしました。
表題にある WH-R8170-C36-TL-Rの最後の
TL-Rはチューブレス レディではなく
チューブレス リヤの意味です念のため。
かかりが悪くて全然走らないので
組み直してほしいとのことです。

DSC09492amx14.jpg
現行のデュラエースとアルテグラの ディスクブレーキのホイールですが、
前後輪とも24Hではあるものの 後輪のみ2:1組みとなっています。
これが私には よく分かりません。

左右異径組みと左右異数組みは
ホイールの左右のスポークの総量に
差をつけるという点では同じなのですが、
左右同数の左右異径組みでは
2:1組みのような極端な左右差が得られません。
後輪だとして フリー側をストロング、反フリー側をCXスーパーにすれば
スポーク比重はそれぞれ 104.3%と54.0%なので
フリー側を100としたときの左右差は100:51.7となり
概ね2:1となります。が、こんな極端な左右異径組みは実質 組めません。

2:1組みだと左右同径組みで(スポークの長さの差を除けば)
スポークの総量の左右差を100:50にできますが、
少スポーク側を ラジアル組みにする必要があります。
もし 少スポーク側をタンジェント組みすると、
後輪だと反フリー側のほうが高テンションとなり
リムの限界まで張ろうとしたときに
先に限界まで達するのが 反フリー側になってしまうので
フリー側がヌルい=かかりが悪いホイールになります。
いつも書いていることですがロヴァ―ルの後輪が これに相当します。
後輪のスポークをにぎにぎすれば 誰にでも分かることです。
ディスクブレーキにおける ハブ側ブレーキの強大な応力というのは
ホイールの組み方に与える要素としては特大で、
リム側ブレーキの前輪で経験的に問題ないと分かっている
左右ラジアル組みなども できません。
なので、普通に左右同数の24Hで 65%エアロスポークヨンヨン組み ないし
ストレートスポークのハブで左右2クロスヨンヨン組み相当という
ふつーのホイールが順当な設計であるところ
(それで不満なら左右異径組みや結線をすればいい)、
わざわざ2:1組みをして一生懸命
ふつー以下の性能のホイールを作るメーカーがあります。
前輪だけ2:1組みの例は キャノンデールのホログラムのホイール、
後輪だけ2:1組みの例は シマノの完組みホイールです。
私の えこひいきでは無く 左右異数組みで
ふつー以上のホイールになっているという例が
カンパニョーロとフルクラムです。
これについてはちゃんとした理由があります。
長くなるので 今回は書きませんが。

私は 以前より、現行のシマノのディスクブレーキのホイールは
前輪を2個買って 1個を後輪に組み直すのが
いいのではないかと提案してきました。
チューブラーリムを希望であれば デュラエースしかないので
デュラエースの前輪をバラし、
チューブレスリムであれば アルテグラの前輪でいいので
それをバラせばいいのではないかと。
アルテグラの場合だと、有名メーカーのリム単品よりも
アルテグラの前輪のほうが安いくらいで、
想像されるリム重量からのハイト/ウェイトレシオは
かなり優秀な部類になります。

が、後輪は 24Hながら余計な2:1組みをしているがために
リムをバラすと 左右×12ではなく
右左右×8用の穴振りのリム穴になっていた場合
汎用の24Hのハブで組み直せない可能性があります。
ホイールに組まれていると、穴振りの量がわずかだった場合
それを見抜くのが難しくなります。
ロヴァ―ルなどは顕著なので ホイールの状態からでも分かりますが。
お客さんは もう後輪を買ってしまったので
組み直しをするなら 後輪で やるしかありません。
後輪を買ったのを悔やむ、ゆえに後悔というのかもしれません。

ホイールをバラしたけど 組み直しができない程度に
何か問題があった、ということが起きた際に
元に戻せるよう 丁寧にホイールをバラしていきます。

DSC09493amx14.jpg
DSC09494amx14.jpg
ホイールセンターが出ていました。
いつもなら「どーでもいいことですが」と言うところですが
今回は これに意味があります(後述)。

DSC09495amx14.jpg
フリー側
DSC09496amx14.jpg
反フリー側
DSC09497amx14.jpg
フリー側
この3本で1ペア

DSC09500amx14.jpg
フリー側
DSC09499amx14.jpg
反フリー側
DSC09501amx14.jpg
フリー側
これは その隣の1ペア
24Hのうち 18Hまでを順番にバラしていって、
一切ゆるめていないニップルを リムの外に出して撮った画像です。
フリー側と反フリー側のスポーク長さは けっこう違いますが、
どちらも明らかにスポーク長さが長すぎで
反フリー側のほうが より長い傾向がありました。
このニップルは 外周側から つかめる六角形がありましたが、
カンパニョーロの完組みホイールのニップルでは
外周側の端に 青いねじ止めナイロンが埋め込まれているところ
とくに そういうのは無く、あと カンパニョーロも そうですが
汎用ニップルより長さが長い特殊ニップルの場合は
スポークのねじ山の山数が
汎用スポークより長いものが使われていることがあり、
その場合は ニップルから飛び出している山の数を見ただけでは
スポークの長さがおかしいとは断定できないのですが

DSC09506amx14.jpg
汎用品の銀CX-RAYと比べても ほぼ同じでした。
ニップルの、歯周ポケットの奥に突き当たるまでの
ねじ山始まりの位置が 外周側にずれているような
特殊な設計のニップルというわけでも無かったので
スポーク長さが長すぎるのは確かです。
あと、ニップルにゆるみ止めのナイロンは埋め込まれていませんが
見ての通り スポークのねじ山には
ふんだんにねじ止め剤が塗布されているので
その点(だけ)は心配ありません。

DSC09507amx14.jpg
組めました。
無視して組める程度の穴振りのリム穴だったので、
お客さんの希望もあり 左右同数組みへの組み直しを強行しました。

DSC09508amx14.jpg
REVOディスクハブ 24H 半コンペヨンロク組み結線ありです。
これの結線無しであっても、
元のホイールよりはマシだという確信はあります。
なぜ わざわざ頭をひねってクソホイールを組むのか理解に苦しむ。

DSC09511amx14.jpg
元のスポークは、スポークヘッドに刻印が無いものでしたが
サピム製では無さそうでした。
これは私の憶測ですが チューブレスリムは
デュラエースグレードのものと同じだと思われます。
それに対する意図的な重量面でのデチューンとして
ハブはともかく スポークもわざわざ重いものを、
私の言い方では スポーク比重が大きいものを使っていましたが
左右異径組み(左右同数なら左右異径、2:1組みなら逆異径)をせずに
アルテグラかデュラエースのスポークを どちらか選べと言われたら
アルテグラのスポークのほうが優秀なのではという気がしました。

デュラエースのホイールのハブとリムを そのまま使うとして、
スポークのみアルテグラのものにしたほうが
かえって走るホイールになるのではということです。

デュラエースのホイールのスポークは
スポーク比重62.5%と非常に軽いので
「ホイールの前後合計重量「だけ」を参考にしてホイールを選ぶ層」
に対する訴求力「だけ」は強いのも事実ですが。

DSC09515amx14.jpg
元のスポークの スポーク比重について。
フリー側16本で84.8gでした。
公称長さは286mm、私の実測でも286mmでした。
84.8÷16÷286が0.018531468・・・で、
スポーク比重100%を 0.0257で定義しているので
それで割ると0.721068793・・・となるので
約72.1%でした。

DSC09516amx14.jpg
反フリー側は8本で38.9gでした。
公称長さは267mm、私の実測では268mmのように思えたのですが
まずは公称長さで計算します。
38.9÷8÷267÷0.0257が
0.708622657・・・なので
約70.8%でした。
仮に268mmとして計算すると 約70.5%となります。

フリー側のスポークのほうが長いので
スポークの長さ全体に占めるバテッド部分の割合が大きいことから
スポーク比重は フリー側のスポークのほうが小さくなりそうなものですが、
結果は逆でした。サンプル数が少ないというのもあるかも知れません。
元のホイールは センタードンピシャでしたが、
その状態で フリー側のスポークは3山ほどニップルから飛び出し、
反フリー側のスポークは4~5山は飛び出しています。
これの差を勘案すると、逆転まではしないものの
同じスポークであるはずの スポーク比重の左右差は かすかに近づきます。

現時点では、約71%のスポークということで良さそうです。
今回の後輪はC36で、リム高違いのモデルのC50も同じスポークですが、
C60はスポーク比重が大きい別のスポークで組まれています。

DSC09469amx14.jpg
これは明日組み直す予定のホイールですが、
macスポークのプレーンスポークで組まれています。
mの最初の縦棒が長いロゴが刻印になっています。

DSC09253msn4.jpg
macというのはブランドで、
CNスポークというメーカー(上の画像はCn刻印のもの)の中で
「エリートスポーク」とされている別ブランドですが、
経験上 首とびの確率はDTやサピムより高いですし、
黒スポークの塗膜も安っぽいです。実際 価格も安いのですが。

macスポークの画像が
たまたま手近なホイールから取れて良かったです。
記事用にmacの黒スポークと CNの金スポークの刻印の画像を
用意していたのですが 使わずに済みました。

DSC09518amx14.jpg
DSC09519amx14.jpg
と言いたいところですが やっぱり使います。
これは、何のホイールに付いていたかは忘れましたが
macのストレートスポークです。
ストレートスポークであれば、首とびのリスクは
ほぼ無いと思ってもいいくらいなので その点は問題ありません。

DSC09520amx14.jpg
これは CNスポークの金スポークです。
かつて このスポークで組んだホイールの補修としてしか使いません。

DSC09521amx14.jpg
ホイールに組めば 分かりにくくなりますが、
同じ袋に入っていたスポークの中ですら
色のバラツキがあります。

なぜ 急にmacスポークの話を始めたのかというと、
DSC09523amx14.jpg
以前にバラしたWH-R9270の前輪のスポークが
隠し立てもせずmacスポーク製だったからです。うわー。
このスポーク、CX-RAYやエアロライトより軽いのですが
考えてみれば サピムやDTに 同社の定番モデルより
軽い特注スポークを作ってくれやと言って
おいそれと作ってくれるわけがありません。
これは私見ですが、もし 私ならスポーク比重が2%大きくなるのを
承知で CX-RAYに組み直します。
というか そこまでやるなら さらに重くなるものの
半CXスプリントにするでしょうが。

DSC09524amx14.jpg
DSC09525amx14.jpg
DSC09526amx14.jpg
↑これはシマノのWH-RX830で、
リムがメタメタに傷んでいるので
ハブだけ使って 別のホイールを組んでほしいということで
お預かりしているものですが
2021年度のカタログまで載っていたモデルです。
初出は2015年度のカタログで、
このホイール自体は2014年の8月製です。

DSC09528amx14.jpg
DSC09529amx14.jpg
で、シマノホイールで スポークが黒いものは
色が剥げたり 錆びが浮いてきたりすることが非常に多いのです。
R9270のスポークが いずれこうなるのかどうかは
経過観察をしないと分かりませんが、
私は そもそも そんな経過観察をしたいとは思いません。

DSC09530amx14.jpg
スポークの刻印を見ようとしたら、
チューブレスリムだったので スポークヘッドはリム側でした。

DSC09531amx14.jpg
なので調べました。

DSC09532amx14.jpg
スポークヘッドに 刻印はありませんでした。

DSC09533amx14.jpg
これは扁平バテッドスポークなので
とくに必要ではありませんが、ニップルに ほど近い部分に
供回り止めのための工具をかける ツブシ加工があります。

DSC09534amx14.jpg
↑別の箇所のスポークですが
こっちのほうが分かりやすいでしょうか。

DSC09535amx14.jpg
これはWH-R9270のスポークです。
同じような加工があります。
これを以って 同じ製造元だ、だからこいつも いずれ同じように錆びると
断言まではできませんが、可能性は否定できません。

私見では macスポークの刻印を入れてしまったのが
初期ロットだけのミスというか仕様で、それ以降は
無銘のスポークヘッドになっているかも知れないと思っています。

え?今回のホイールのリム重量?
ちっ、話を リムから逸らし続けたのに そこに まだ留意するとは。
今回のリムの重量は けっこう重要な情報なので
そう簡単に教えるわけにはいきません。
すでに当店では R8170の前輪を2つ買って
うち1つを後輪に組み直すという話を
検討しているお客さんが何人もいます。
そういう人には教えてもいいが そうでも無いのに
タダで教えてくれるような甘い話があるわけないやろ。
↑うわこいつかんじわるい












DSC09517amx14.jpg
オ待タセシマシタ!

DSC09502amx14.jpg
コチラノ画像ヲ ゴ覧クダサイ!
↑やーめーろー!

category: のむラボ日記

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