のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ヌポークその4  

まだまだヌポークで回収していない話があるので
ちょっとずつ進めていきますね。
今日はラジアル組みのときのスポークの通し方について。
DSC00001amx.jpg
その前に。久しぶりなので一応書いておきます。
当ブログではハブフランジの内側から外側に通したスポークを
「ヌポーク」、
DSC00002amx.jpg
ハブフランジの外側から内側に通したスポークを
「反ヌポーク」と呼んでいます。

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↑タンジェント組みでは フランジに通されるスポークは
ヌポークと反ヌポークが交互に並んだ形になりますが、
ラジアル組みではヌポークか 反ヌポーク、どちらかのみとなります。

DSC09995amx.jpg
↑これはシマノのWH-R501ですが、反ヌポークでラジアル組みしています。
首折れスポークでラジアル組みしている完組みホイールは、
ほんのわずかの例外を除いて、ほぼ全て「反ヌポークラジアル」で組まれています。

DSC00004amx.jpg
昨日のTniホイール(お問い合わせ多かったです。ありがとうございます)も
吊るしなので自己主張を抑えて 反ヌポークラジアルにしました。

DSC08510amx.jpg
自己主張を抑えて と書きましたが、私はラジアル組みするときに
「ヌポークラジアル」で組むことがあります。
これは一般的ではない組み方ですが、反ヌポークラジアルと比べて
メリットとデメリットがあり、それを勘案した上で
ヌポークラジアルが有利そうなら選択しています。

DSC00008amx.jpg
ヌポークでも反ヌポークでも スポークの根っこの部分、
つまりスポークがハブフランジから出ているところを
横剛性の計算根拠にします。
反ヌポークは底辺の幅が狭いので、ヌポークよりも横剛性に
劣ります(と私は思っています)。
これは剛性的な面から見た反ヌポークラジアルの性質ですが、
DSC00009amx.jpg
空力的な面からも見てみます。
スポークの、リム寄りの部分はリムやタイヤに隠れますが
反ヌポークラジアルは前面投影面積がより少なくなるので、
空力的には有利です。

DSC00010amx.jpg
これがヌポークラジアルの場合、反ヌポークラジアルとくらべて
より多くの部分がリムないしタイヤから露出します。
空力的には損です。が、スポークのたわみ始めポイントが
より広い幅になっているので、横剛性的には有利です。

DSC00011amx.jpg
また、反ヌポークは スポークの首元がフランジから出るときに
開く方向になります。
対してヌポークの場合は内側に折れ曲がる方向になるわけですが、
スポークの首が飛びにくくなるのはヌポークの方です
これが私がヌポークラジアルでホイールを組むことがある最大の理由です。

DSC00012amx.jpg
首折れスポーク仕様の完組みホイールの中には、
フランジ幅が非常に厚く、それに合わせて
スポークの首元の曲げまでの部分が長い特注スポークを使うことで
反ヌポークラジアルでありながら 首飛びリスクを軽減している
ものもあります。ロルフプリマがそうですね。
特注フランジのホワイトインダストリーのハブ(ペアスポークなので穴の位相も特注)に
特注寸法のサピムスポークという徹底ぶりです。

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メーカーがヌポークラジアルを避けている(恐らく最大の)理由は、
フランジ形状(特に高さ)によってはスポークとハブフランジが干渉する
問題があるためです。上の図のような接触は、反ヌポークラジアルでは絶対に起きません。

DSC00014amx.jpg
これはリム高によっても問題の深刻度が違ってきます。
低いリムではヌポークがリムへ延びる角度が立っているので
フランジ接触問題が起きにくそうですが、
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リムが高くなるとスポークの角度が寝てしまうので、
フランジ接触問題が起きてしまいます。
私がヌポークラジアルをしたい事情があるホイールの場合でも、
リム高が高いと断念して反ヌポークラジアルにすることも多々あります。

DSC09296amx.jpg
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同じリムなんですが、エッジ時代の45リムとエンヴェの45リムです。
このリム高でもヌポークラジアル組みをしています。

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↑私の謎コスミックカーボンも、反フリー側のラジアルをヌポークで組んでいます。

DSC08635amx.jpg
ヌポークラジアルで仮組み中のホイールは
スポークがぼわーんとふくらんでます。
関係ないですがハブはサンツアー・シュパーブプロです。

DSC08638amx.jpg
組む前
DSC08641amx.jpg
組んだ後

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話は変わりますが、
Tni AL300リムのホイールについて
「剛性感はどうですか?」とよく聞かれます。
知りません。
と答えるのもなんなので、自分用に前輪を組みました。

DSC00034amx.jpg
これもヌポークラジアル組みです。
ハブはホワイトインダストリーのH2、
スポークはサピムのCX-RAYです。
画像上側が進行方向になります。
ハブの文字が逆になりますが、わざとです。理由はあとで。

昨日の のむラボホイールをCX-RAYで組むことももちろん可能で、
前後輪 各¥5000アップで出来ます(20Hの場合)。
24Hの場合は¥6000アップになります。

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このハブを選んだのには理由があって、
ハブフランジがまっすぐではないんですね。

DSC00036amx.jpg
↑かなり大げさに描くとこんな感じです。

DSC09979amx.jpg
フランジ接触問題が起きそうにないのでこれにしました。

DSC09971amx.jpg
ヌポークと関係ない話ですが・・・。
今回、画像上側が進行方向になるようにホイールを組みました。

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文字は向かって逆になってしまいます。

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ハブを組み立て調整するいもねじが 進行方向に向かって左側にあるのが
正解だと思うのですが、そういう風にすると文字が逆になるんですね。
それでもこっちの方が正解だと思います。
リヤハブの場合、このいもねじ穴は左側についています。
(右側はフリーボディがあるので無理)
「調整機構は前後とも左側」と考えるとこうなると思うのですが、
この説を後押しするハブが 別のメーカーで存在します。

rear sx 2.0 shima
↑エクストラライトというメーカーのリヤハブです。
調整機構は当然 左側についています。
ハブ体の左側にヤスリ目加工されたダイヤルのようなものが付いています。

ultrafront sx
で、これがフロントハブなんですが リヤハブ同様のヤスリ目ダイヤルが
(文字が読める方向から向かって)右側についています。
しかし、ハブ体に「LeftSide>>」とわざわざ注釈がついているので、
ultrafront sx -2
こういう方向で組めと言ってるんですね。
リヤハブではロゴが進行方向に向かったときに読めるのに、
フロントハブでは逆になるということです。
ホワイトのH2ハブも同じ理屈だと判断したので、
私は今回 一見して逆に見える方向で組みました。

DSC09986amx.jpg
私の4820gのアカマツのアルミバイクは、
アカマツのシステマハブで前輪を組んでいます。
これより重量的に軽いハブもありますが、
ここは軽さより このハブを使いたいという気持ちを採りました。
本当にいいハブです。よーし、言うぞ。
システマハブのステマです
・・・すいません。スルーしてください。

フランジ幅が狭いので、横剛性が構造上 出ないわけですが
ガシガシ ダンシングしない限りは気になりません。
せっかくフランジ幅が狭いんだから、
ここはヌポークラジアルで横剛性アップを狙うより、
反ヌポークラジアルで究極的なスポークの前面投影面積の少なさを
狙いたいと思って反ヌポークラジアルにしています。

DSC09989amx.jpg
狭い!空力的にはかなりおいしい前輪です。

DSC09993amx.jpg
ホワイトのH2ハブではこうなります。
H2ハブはフランジ幅がかなり広いハブなので、この2つのホイールは
ラジアル組みの両極にあるといってもいいでしょう。

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なぜシステマハブがナローフランジなのかと言えば、
このハブは小径車に使うことを前提にもしているからです。
計算してみると、20インチ(HE)の小径リムのリム内径と同じ
700Cのリムは、およそリム高90mmほどになります。

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そのリムでヌポークラジアル組みをした場合、スポークの角度がかなりきつくなります。
フランジ接触問題が起きやすいですね。
あるいはタンジェント組みしたとしても、半分はヌポークです。
タンジェント組みでさらにスポークの交点を編んだとすると、
ヌポークがフランジから出始める部分の角度がラジアル組み以上にきつくなります。

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ここで、20インチのリムと同じリム高の700Cリムを考えてみます。

DSC00025amx.jpg
このリムをヌポークラジアルで組んだとすると、
スポークは上の図の赤の破線になります。

DSC00027amx.jpg
そのスポークの織り成す角度(上の図の青い角度)と
同じくらいになるように20インチのリムを組みたいのであれば
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ハブフランジを内側に詰めればいいんですね。
これがシステマハブが小径車向きだという理由です。

DSC00031amx.jpg
その状態から700Cのリムを反ヌポークで組むと
前面投影面積的に最高の前輪(スポークドホイールとしては)が
出来ます。私の前輪はこれを狙ってのことです。


TniのAL300リムをヌポークラジアルで組むことを
オーダーしていただいてもいいですが、色々あってオススメはしません。
(不可能ではないです)
じゃあなんでエンヴェ45はヌポークで組んだんだと言われると
ここで書けないことなので困りますが・・・

今日は「ラジアル組みには2種類あるよ」という お話でした。

category: ヌポークの話

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