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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

WH-R8170-C50-TLの前輪について  

少し前に 現行アルテグラのチューブレスホイールの
50mm高リムの前輪を 後輪に組み直しました(→こちら)。
リンク先の記事にも書いているように
お客さんは C50の前輪を 始めから当店で
後輪に組み直すつもりで C36とC50の前輪を買っています。

C36のほうは点検などでも お預かりはしていませんが、
左右同径スポーク、左右同数組みの24Hで
左右とも最終交差を編んで「いない」2クロス組みです。
つまり、もし不満があるのであれば
まだ やりようがある仕様ということです。
お客さんは 今回のホイール以前に
ロヴァ―ルのCLX50を使っていましたが、
C50を当店に預けている間に 前輪だけC36を使ってみたところ
「アルテグラのC36と CLX50の前輪では C36のほうが走る」
「CLX50は下りのコーナーが とくにダメで ヨレる感じがする、
下り以外でも 操舵感が遅れる感じがする」のが
とくに我慢を覚える必要が無いくらいには
マシになったということでした。
これは お客さんの言葉そのままであり、私の私見は入っていません。
お客さんが すでに のむラボ的ホイール観によって
ホイールに対する認知を歪められている、という可能性を
完全に排除することはできませんが。

後輪になったC50のお引取りの際に
オークションで売り飛ばす予定となった
CLX50の前後輪の点検もしました。
何なら もし有利になるというのであれば
「のむラボで点検しました」と
説明文に書いてもいいよと伝えています。

RIMG1158amx15.jpg
C50チューブレスのリム重量です。
蟹光線のアーカイブに残らないので ご注意ください。
CL/CLX50と同じリム高で 10~15g重いくらいでしょうか。
ホイールを組んだ際の雑感ですが、シマノのリムのほうが
ビビらずに張れる感触があります。

RIMG1174amx15.jpg
フロントハブの実測重量です。
R9270のフロントハブの実測重量は(→こちら

RIMG1175amx15.jpg
スポークの実測重量です。
スポーク長さは 左右同じで272mm、
スポーク比重は118.9÷24÷272÷0.0257が
0.708710038・・・なので
約71%ということでいいでしょう。
C36の後輪の左右スポークの結果(→こちら)とも ほぼ同じです。

スポーク比重を軽いほうから並べると
デュラエースのスポーク 62%
CX-RAYまたはエアロライト 65%
アルテグラのスポーク 71%
CXスプリントまたはエアロコンプ 78%
と、安定供給されている定番スポークから見事に外しています。
スポーク比重は5%も違えば
補修スポークとして混ぜるのが厳しくなりますが、
純正のスポークが 今後 どれほど安定供給されるのかは不明です。
WH-7900やWH-9000のスポークが
現在 安定して入手可能でしょうか?答えは もちろんNOです。

スポーク比重を知っておくと
既知のスポークの 未知の長さの重量が
かなり正確に分かるというのもありますが、
左右異径組み(または逆異径組み)をするときに
左右のスポーク比重の大小を把握していないと
できないという点でも重要です。

もし アルテグラの前輪を ハブをそのままで
ストレートスポークを片側のみ全交換する場合
CX-RAYなら右側、CXスプリントなら左側に入れるわけですが
その判断は アルテグラのスポークの
スポーク比重を知らないことにはできません。
左右同数スポークのディスクブレーキの前輪で
左右異径組みをするとして、スポークが
CX-RAYとCXスプリントしか無ければ
左/右の順で書くとして
CXスプリント/CX-RAYの組み合わせ以外にはありません。
ところが これにデュラエースとアルテグラのスポークが加わると
・CXスプリント/アルテまたはCX-RAYまたはデュラ
・アルテ/CX-RAYまたはデュラ
・CX-RAY/デュラ
と 左右異径組みの整合性がある組み合わせが6種類となります。
CX-RAY/デュラエースと CXスプリント/アルテグラは
スポーク比重が近すぎて あまり意味が無い気もしますが。

RIMG1177amx15.jpg
リンク先の記事にも書いていますが、
デュラエースのC36とC50のスポークは
スポーク比重62%と不用意に落とし過ぎた きらいがあるので、
私見ですが チューブレスリムのホイールに関しては
ハブの回転が多少滑らかだという点を勘案しても
デュラエースより アルテグラのほうが
走るホイールなのではないかと思います。

アルミスポークでリムブレーキ用ホイールの
シャマルウルトラとユーラスは リムとスポークが同じで、
ハブ胴の材質と ベアリングの仕様のみの違いですが
これがもし シャマルウルトラを軽く見せたいがために
ユーラスのほうに やや太いスポークを入れたとすると、
結果 ユーラスのほうが剛性があって硬く
人によっては ユーラスのほうが走ると感じる
通好みのモデルになったかもしれません。

そういう感じの「差別化のための差別化」を
ハブ(約10g差)や
リム(たぶん同じもの、少なくとも重量は同じ)ではなく
スポークで やってしまったがために
要素の大小を はき違えた 意図しない性能の逆転が
起きている気がします。

デュラエースもアルテグラも それぞれのC36とC50での
スポークの番手は同じですが、
C60になると 剛性重視でスポーク比重が大きいスポークを
採用しています。
それと同じことがデュラエースとアルテグラの
ホイールの間でも起こっていて、
事によると「安いホイールのほうが むしろ走る」といった事態に
なっている可能性があります。

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2023/01/02 17:37 | edit

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