某メーカーのキシリウムK10のオーバーホールをしました 
2013/08/19 Mon. 00:25 [edit]
キシリウムK10と一般に呼ばれるのは日本の代理店が そう呼ぶからであって、
海外ではキシリウムイクシオンK10またはキシリウムイクシオンと
いう表記が多いようです。
なぜ急に「海外では」と書いたのかは秘密です。


新品です。厳密には自転車に取り付けて当店まで乗ってきていますが。
新品なのでハブは開けずに振れ取りとセンターのチェックをご希望です。
買ったお店で検品・・・というのが無いルートで買われているので
当店が有料でそれをするわけですが、
「その価格」+「当店の工賃」でも国内の流通価格(以下検閲済み)。

「フリー側ラジアルの左右異本組み」になっています。
この某メーカーで言うところのイソパルスレーシング、
当ブログの定義に当てはめるとゼロヨン組みですが、
スポークテンションの左右差の是正に絶大な効果があります。
首折れスポークでフリー側をラジアル組みにするのは
デメリット大なので 私はフリー側を4本組み、
反フリー側を6本組み以上にするという組み方を普段していますが、
売り物にしないホイールでフリー側ラジアル組みをしてみると
ホイールバランスの変化は一目瞭然です。

↑スポークヘッドの収まる位置をフランジ穴とすると
厳密には かすかに逆ハイローフランジなのですが、
ホイールバランスにはイソパルスのほうが効果大なので問題はありません。
キシリウムはアルミスポークのホイール組みたさに出来たものではなく、
フリー側ラジアル組みの欠点である ペダリングトルクのねじれ損失を
最小にするために考えた結果アルミスポークになったというのが 私の考えです。
キシリウムのすごいところは、開発方針を変えず モデルチェンジごとに
確実に良いものにしていっているという点です。
しょうもない心変わりや頓挫をせずに 年々熟成を重ねています。
仮に 4~5年ごとにキシリウムのフラッグシップモデルを
買い換えるということをした場合、
常に「前より良くなってる!」という経験ができるということです。
これが ある違うメーカー(どこかは伏せます)の場合、
ペアスポークのホイールだったものが なぜかフリー側ラジアル組みのホイールになり、
さらに左右2クロスになり、さらに2:1スポークになったりと
二転三転して節操がなかったりします。
1999年の初代キシリウムですが、私の実測値メモでは
フロントWOリムが510gとなっています。
2002年にリムに切削を入れたキシリウムSLが出ました。
2004年には全面シルバーのキシリウムSLになりましたが、
これのごく初期のロットのみ切削が深いものがあり
リムが実測で400g以下となっています。
「切削しすぎたから次のロットからは切削を浅めにします」と
いうアナウンスが当時ありました。
2006年のキシリウムESからはフロントハブがカーボン胴になりますが、
重要なのはそこではなく ハブフランジのスポーク引っかけ形式が見直されたことです。
現行のキシリウムSLは ハブに関してはこれがベースです。
K10からはリムサイドにも切削を入れました。
これの嚆矢は同社のクロスマックスSLです。
ディスクブレーキ専用ホイールの場合リムサイドも切削できるからです。
K10はリムブレーキなのでブレーキゾーンは必要ですが、
それでも何とか少しでもサイドを削ろうという試みをしています。
実はリム重量に関しては2004年の初期ロットが最軽量なのですが
K10のリムはそれに匹敵しているのではないかという疑いがあります。
2006年のESのチューブラーは390gくらいなのですが、
WOでは400gを少し超えます。
かつて断念した400g切りのWOリム、に仕上がっているかどうかは
ホイールをばらさないと分かりません。
私はこのリムの実測重量を知りませんが、知っているという奴を知っています。
が、この某メーカーに対して何やらトラウマがあるようで教えてくれません。
しかし今回 匿名とすることを条件に重い口を開いてくれました。
冒頭から白々しく某メーカーという表記で通しているのはこのためです。

↑どこの誰かはいえません。
あと、「重い口」といいながら やたらと嬉々としているように見えますが気のせいです。

400g切りとなっていました!
違うメーカー(どこかは伏せます)のカーボンラミネートアルミ軽量リムと
10g以内の差ですが、ホイール体としてのカッチリ感はキシリウムのほうが上です。
特に後輪は比較にならないくらい違います。
キシリウムも「手組みでは超えられない壁」のひとつです。
完組みホイール側としても、専用設計で考え抜いたホイールの性能が
市販の材料のホイール以下になるなら 完組みホイールをいうものを
そもそも作る理由がありません。
この辺のホイールを引き合いに出して「ウチの手組みホイールはそれ以上」と
主張するお店もありますが、到底ありえない話です。
設計のしっかりしている完組みホイールの性能を認めたうえで
手組みホイールと向き合うという「生みの苦しみ」を味わわせてくれるのですよ、
キシリウム先生は。
海外ではキシリウムイクシオンK10またはキシリウムイクシオンと
いう表記が多いようです。
なぜ急に「海外では」と書いたのかは秘密です。


新品です。厳密には自転車に取り付けて当店まで乗ってきていますが。
新品なのでハブは開けずに振れ取りとセンターのチェックをご希望です。
買ったお店で検品・・・というのが無いルートで買われているので
当店が有料でそれをするわけですが、
「その価格」+「当店の工賃」でも国内の流通価格(以下検閲済み)。

「フリー側ラジアルの左右異本組み」になっています。
この某メーカーで言うところのイソパルスレーシング、
当ブログの定義に当てはめるとゼロヨン組みですが、
スポークテンションの左右差の是正に絶大な効果があります。
首折れスポークでフリー側をラジアル組みにするのは
デメリット大なので 私はフリー側を4本組み、
反フリー側を6本組み以上にするという組み方を普段していますが、
売り物にしないホイールでフリー側ラジアル組みをしてみると
ホイールバランスの変化は一目瞭然です。

↑スポークヘッドの収まる位置をフランジ穴とすると
厳密には かすかに逆ハイローフランジなのですが、
ホイールバランスにはイソパルスのほうが効果大なので問題はありません。
キシリウムはアルミスポークのホイール組みたさに出来たものではなく、
フリー側ラジアル組みの欠点である ペダリングトルクのねじれ損失を
最小にするために考えた結果アルミスポークになったというのが 私の考えです。
キシリウムのすごいところは、開発方針を変えず モデルチェンジごとに
確実に良いものにしていっているという点です。
しょうもない心変わりや頓挫をせずに 年々熟成を重ねています。
仮に 4~5年ごとにキシリウムのフラッグシップモデルを
買い換えるということをした場合、
常に「前より良くなってる!」という経験ができるということです。
これが ある違うメーカー(どこかは伏せます)の場合、
ペアスポークのホイールだったものが なぜかフリー側ラジアル組みのホイールになり、
さらに左右2クロスになり、さらに2:1スポークになったりと
二転三転して節操がなかったりします。
1999年の初代キシリウムですが、私の実測値メモでは
フロントWOリムが510gとなっています。
2002年にリムに切削を入れたキシリウムSLが出ました。
2004年には全面シルバーのキシリウムSLになりましたが、
これのごく初期のロットのみ切削が深いものがあり
リムが実測で400g以下となっています。
「切削しすぎたから次のロットからは切削を浅めにします」と
いうアナウンスが当時ありました。
2006年のキシリウムESからはフロントハブがカーボン胴になりますが、
重要なのはそこではなく ハブフランジのスポーク引っかけ形式が見直されたことです。
現行のキシリウムSLは ハブに関してはこれがベースです。
K10からはリムサイドにも切削を入れました。
これの嚆矢は同社のクロスマックスSLです。
ディスクブレーキ専用ホイールの場合リムサイドも切削できるからです。
K10はリムブレーキなのでブレーキゾーンは必要ですが、
それでも何とか少しでもサイドを削ろうという試みをしています。
実はリム重量に関しては2004年の初期ロットが最軽量なのですが
K10のリムはそれに匹敵しているのではないかという疑いがあります。
2006年のESのチューブラーは390gくらいなのですが、
WOでは400gを少し超えます。
かつて断念した400g切りのWOリム、に仕上がっているかどうかは
ホイールをばらさないと分かりません。
私はこのリムの実測重量を知りませんが、知っているという奴を知っています。
が、この某メーカーに対して何やらトラウマがあるようで教えてくれません。
しかし今回 匿名とすることを条件に重い口を開いてくれました。
冒頭から白々しく某メーカーという表記で通しているのはこのためです。

↑どこの誰かはいえません。
あと、「重い口」といいながら やたらと嬉々としているように見えますが気のせいです。

400g切りとなっていました!
違うメーカー(どこかは伏せます)のカーボンラミネートアルミ軽量リムと
10g以内の差ですが、ホイール体としてのカッチリ感はキシリウムのほうが上です。
特に後輪は比較にならないくらい違います。
キシリウムも「手組みでは超えられない壁」のひとつです。
完組みホイール側としても、専用設計で考え抜いたホイールの性能が
市販の材料のホイール以下になるなら 完組みホイールをいうものを
そもそも作る理由がありません。
この辺のホイールを引き合いに出して「ウチの手組みホイールはそれ以上」と
主張するお店もありますが、到底ありえない話です。
設計のしっかりしている完組みホイールの性能を認めたうえで
手組みホイールと向き合うという「生みの苦しみ」を味わわせてくれるのですよ、
キシリウム先生は。
category: のむラボ日記
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