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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

ハイローフランジVS左右異本組み  

ハイローフランジと左右異本組み(リヤ反フリー側を フリー側よりも接線方向に組む)は
ともにスポークテンションの左右差の是正に効果がありますが、
実際の是正度は同じではありません。
DSC06316amx.jpg
16Hのハイローフランジのリヤハブで組んだホイールで考えてみます。
16Hの最接線組みは4本組みですから、
左右異本組みをするなら 反フリー側は4本組みとなります。
反フリー側を2本組みした場合と4本組みした場合では
ホイールを横から見たときのスポークの角度
(ラジアル組みから より角度が離れている具合)が異なります。
が、ホイールを前後方向から見たときのスポークの角度は同じです。

追記:「角度は同じ」ではありません!私の勘違いです!
訂正については(→こちら

DSC06317amx.jpg
もしこのハブがハイローフランジで無かったなら、
スポークとホイールの中心線の間の角度は よりにぶくなり、
スポークテンションの左右差は増大します。
ここの角度の差はスポークテンションの左右差について、かなり大きな要素です。
角度を是正(反フリー側を鋭角化)する もうひとつの手段はオフセットリムですね。

DSC06318amx.jpg
次に、反フリー側のフランジが極端に小さい場合を考えます。
思考実験上の極論として、左フランジが「点」だと考えてもいいです。

DSC06319amx.jpg
↑左フランジが小さくなればなるほど4本組みと2本組みの
スポークの伸長方向の差が小さくなります。
何が言いたいかというと、左フランジ径が小さくなればなるほど
左右異本組みで得られるスポークテンションの是正度が小さくなるということです。
ではハイローフランジハブで左右異本組みするのは意味が無いかというと
そんなことは無く、実際上のハブ(私が普段使うTniエボなど)のフランジ径では
意味があります(テンションメーターの数字に明らかな差異が出ます)。
ただ、是正度の大きさについては ハブのハイローフランジ具合のほうが
影響大だということです。

それなりのハイローフランジのハブだと、左右同本組みをしても
同じくらいのフランジ幅の左右同径フランジハブと比べて
左右のスポークテンションの差が少ないのが分かります。

左右同径フランジハブで左右異本組み(24Hのヨンロク組みや32Hのヨンパチ組み)を
すると、やはり左右のスポークテンションの差が少ないのが分かります。

で、ハイローフランジのハブで 左右異本組みをしたとすると
左右異本組みの是正度は薄れますが まったく意味が無いわけではなく、
当然 そのハブで左右同本組みした場合と比べてスポークテンションの左右差は
少なくなります。

表題の結論を言うと 基本的には「ハイローフランジ>左右異本組み」です。

デュラエースのリヤハブは右フランジが45mm、左フランジが44mmなので
半径で0.5mmぶんだけ(一応は)ハイローフランジとなります。
これをフリー側ラジアル組みでキシリウムのような組み方をしたとすると
さすがに左右異本組みの効果のほうが大きくなるでしょうが、
この場合は右45/左44mmをハイローフランジと呼ぶべきかどうかという点が問題です。

最近のハブは多段化のせいで 右フランジ幅が20mm以下のものも多いですが、
第一に フランジ幅55mm以上、
第二に 出来ればハイローフランジのものを選ぶのが
オススメです。第一と第二の重要度には 大いなる隔たりがあり、
決して逆にはなりません。
ハブの寸法は 組み手がいじりようの無い要素であり、
組み方やスポークの選定は 組み手の悪あがきでしかありません。
私は私なりの「ベスト オブ 悪あがき」を以ってホイールを組んでいるつもりですが、
それ以前のハブの選定も重要です。

私はここに 組んだホイールの全てを上げているわけではないのですが、
最近お持ち込みされるハブに 上記のルールを理解したうえで
選んでいるとしか思えない怪しいハブが多いので驚いています。

手組みホイールも面白くなってきたじゃねーかクォックォックォッ(笑い声)

category: ホイールの話

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2013/08/25 11:30 | edit

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