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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

キシリウム プロ USTさん  

お客さんから キシリウムプロUSTをお預かりしました。
RIMG7641amxy15.jpg
点検と、あと後輪のほうは ちょっとした調整を ご希望です。
まずは前輪から。

RIMG7643amxy15.jpg
ハブの玉当たりに横ガタがありました。
ポン当てエンドではなく 玉当たり調整ナットがある
方式なので ガタを取りましたが、
ベアリングは傷んでいなかったものの
この状態で それなりに長く使っていた期間があるようです。
お客さんは このホイールの最初のオーナーではなく、
調整とタイヤ交換をご希望で 当店に持ち込みされており、
このホイールの使用歴はゼロです。

RIMG7644amxy15.jpg
マヴィックの ロードUSTチューブレスリムには
マヴィックのカブトムシ色のチューブレステープ(→こちら)を
貼れという指示が書かれた赤いラベルが貼ってありますが、
完組みホイールで すでに貼られているテープを見ると
バルブ穴から貼り終わりまでの 二重になっている箇所の
大部分に テープがめくれてシーラントが浸入しているのが
ほとんど全数で見られるうえ
テープを剥がすと 除去不能なほどの糊残りが
リム側に残るので 非常に不愉快なのですが、
このキシリウムのリムは 外周側にバルブ穴以外の穴が無く
テープが不要なので、シーラントの水分で ふやけたシールが
グズグズになっている程度で タイヤを外したあとの
清掃が楽でした。

RIMG7645amxy15.jpg
この位相が長期間静置していたときの
真下だったんだろうな、という感じで
乾いたシーラントが タイヤの一部に集中していました。

RIMG7646amxy15.jpg
RIMG7647amxy15.jpg
リムが かすかに右側にずれていました。

RIMG7648amxy15.jpg
↑これくらい
スポークテンションは タレていなかったので
これを増し締め傾向で振れ取りと合わせて
センター出ししただけで済みました。
センタードンピシャの状態は お客さんに見てもらったのもあり
画像は撮っていません。

RIMG7649amxy15.jpg
つづいて後輪。

RIMG7650amxy15.jpg
アルミスポークのキシリウムであっても
ディスクブレーキの後輪は
20Hではなく24Hになっていますが、
イソパルスの真髄はフリー側ラジアル組みという点だけでなく
反フリー側タンジェント組みのスポークの軌道が
ハブフランジに対して接線方向にあるという点にあります。
G3組みは ほぼ平行な3本のスポークが
1ペアとして見られがちですが
(縦振れを追い込む根拠としては それでいい)
ホイールの理屈的には フリー側は最終交差を成す2本がペアで、
そのどちらも ほぼ接線方向の軌道になっています。
リムブレーキの汎用フロントハブで 20Hでスモールフランジの場合
4本組みすると片側フランジのスポークの形が
ほぼ五芒星になりますが、
20Hのキシリウムの後輪の反フリー側のスポークも
ほぼ五芒星となります。
これは、同じフランジから出ているスポーク2本の軌道が
合わせて見ると ほぼ直線になっているとも言えますが、
これが24Hになると
20Hのときに2本のスポークで直線(180°)となっていた
フランジからのスポーク2本が180°より鋭角になっています。
これを再び180°にしようとすると
左フランジの径を大きくすればいいのですが、
ハブの重量がかさむのを嫌がってか
マヴィックはそうしていません。
そんなことをしたら 逆ハイローフランジになるだろ!
と思われるかもしれませんが 実はキシリウムは
リムブレーキ用の後輪から すでに逆ハイローフランジです。
なぜかというと、イソパルスのフリー側はラジアル組みですが
ラジアル組みはフランジ径に関わらず
スポークの軌道があまり変わらないからです
(ホイールを真横から見た軌道では不変です)。
じゃあ レーシングゼロの後輪の反フリー側は
ラジアル組みだが あのリヤハブが
超ハイローフランジなのは意味が無いのか、
というと それもまた違います。
キシリウムのラジアル組みはフリー側ですが、
フリー側はフリーボディがあるという構造上
フランジ幅に関して設定の自由度が ほぼありません。
レーシングゼロのラジアル組み側は反フリー側ですが、
フランジ幅を非常に広くしてあり、
それに加えてスモールフランジで
前後方向から見たスポークの角度を
フリー側に近づけています。
前後方向から見たスポークの角度は
左フランジ幅が広くなると鈍角になり
スモールフランジになると鋭角になりますが
これは要素の大小において フランジ幅がまず優先されるためで、
フランジ幅を広く取りつつ なるべく鋭角にしたいから
ハイローフランジになるわけです。
ここをカンチガイして ホイールを前後方向から見たときの
反フリー側のスポークの鋭角を得るために
左フランジ幅を狭くして 横剛性がガタ落ちになるのを無視して
スポークテンションの左右差を少なくするほうを
大要素として優先してはいけません。
とくに左フランジ幅が狭い 左右同径フランジで、
2:1組みを自社のカタログで はっきり否定していて
左右のスポークテンション差を気にしているのかと思ったら
自社のリムブレーキ用の完組みホイールは
左右同数組みで反フリー側ラジアル組みという
左右のスポークテンションの差に関して
最悪な組み方をしているのが ゴキソです。
いやー ホイールって難しいですね。
ちなみに、ゴキソの完組みホイールを組み直して
前より走らなくなったと言われたことは
一度たりともありません。

RIMG7651amxy15.jpg
おっと 話が長くなってしまった。
後輪のタイヤも シーラントが1ヵ所に集中して固まっていました。
コーキングのように固まっており 除去は不可能では無いですが
非常に困難です。
このタイヤは再使用しないので別にいいのですが、
この量のシーラントのカタマリは
ホイールバランスに影響がある気がします。

RIMG7652amxy15.jpg
RIMG7653amxy15.jpg
暫定センターはドンピシャでした。
いつもみたいに 左側に ずれておいてくれれば
良かったのですが。

RIMG7654amxy15.jpg
パークツールのスポーク供回り止め工具の
A~DまであるC溝に
反フリー側のスポークが奥まで入りますが、

RIMG7655amxy15.jpg
フリー側のスポークは溝に入りません。
左右異径組みです。

RIMG7656amxy15.jpg
RIMG7657amxy15.jpg
キャノンデールのAIに合わせて12mmずらしました。
これがお客さんが当店に持ち込みされた理由です。
お客さんが ワイズロードに訊いたところ
「工賃と時間がすごくかかるので(工賃は不明)
新しいホイール買ったほうがいいですよ」と言われたそうですが、
AI対応の後輪って単品で売ってるのでしょうか?
キャノンデールには あるかもしれませんが。
ウチで新規に買ったホイールであれば
それをAI用に調整してやるのも
やぶさかではないということなのでしょう。
こういうことが さらっと平気で言える程度でなければ
ワイズロードでは働けないのかもしれません。

ちなみに当店では センター出しならぬセンターずらしと
新しいチューブレスタイヤの取り付けと
それをお客さんのフレームに取り付けて
ローターが擦っていれば調整するのを合わせて4000円
(振れ取り台上の作業3000円+タイヤ取り付け1000円)、
時間でいえば ホイールの調整だけなら
20分かからないくらいだったでしょうか。
新たに取り付けたタイヤが ビード上がりが非常に悪く
そちらは結構 時間がかかりました。

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