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のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

カデックス50ウルトラディスクチューブレスさん  

お客さんから GIANTのCADEXブランドの
カーボンスポークのホイールをお預かりしました。
RIMG7701amxy15.jpg
振れ取りを ご希望です。
上の画像は後輪ですが 前後輪ともお預かりしました。
LUNやHUNTのカーボンスポークのホイールなどと同じで
汎用ニップルに見える部分は
スポークと一体化した供回り止めのつかみしろです。
それをつかみつつ(ちなみに3.4mm対辺)、
外周側から 六角のつかみしろの
ナット型ニップルを回すという構造なので
振れ取りのたびに リムテープを剥がす必要があります。
フックレスリムなので チューブドでの運用に非対応、ということは
ストレッチバンドタイプのリムテープということはありえず
テープタイプのリムテープを そのたびに交換必須で
シーラントも除去しないといけません。

このホイールの購入店に修理希望で預けていたら
そのショップで修理せずに GIANTに送って
直してもらったというので
スポークを何本かバキバキに折ったりでもしたのかと
お客さんに訊いたところ 単なる振れ取りで預けて、
メーカー送りにしたことは 後で知ったそうです。

MTBのサスペンションのオーバーホールは
問屋さん送りにすることが多いです。
たとえば オイルパンの上で
フロントサスペンションのロワーレッグを引き抜いたら
サスオイルがボトボトこぼれて
それから どこのOリングがダメとか
ブッシュが傷んでるとかが分かったとして、
ショップにパーツが無ければ その状態で
数日以上放置・・・というわけにもいきません。
必要なパーツが確実にあり 知識と経験と技術がある人が
修理するという信頼が メーカー送りにはあります。

が、たかがホイールの振れ取りで
メーカー送りとか ダッセェな!とは思います。
それほど特殊な工具が必要なわけではありません。
どこのショップかは訊いていませんが
そのショップかGIANTの中の人が ここを見れば
たぶん分かるんじゃないでしょうか。

メーカー送りの結果ですが、
前輪が ごくわずかに振れていましたが
そのまま使ってもいいくらいで
センタードンピシャでした。
後輪は 前輪よりは振れていましたが
振れ取り作業をしました!と言っても恥ずかしくないくらい
追い込んであり、リムが紙1枚ほど右側に寄っていましたが
完組みホイールの平均的な出荷基準よりは
はるかに精度が上でした。
前後輪とも カーボンスポークの扁平部分が
かすかにねじれて回っている箇所が多く、
ニップル状のつかみしろ部分を
かすかに回して修正したのが
最も時間がかかった作業です。

RIMG7702amxy15.jpg
後輪は2:1組みで 左右ともタンジェント組みです。
2:1組みの後輪で反フリー側をタンジェント組みすると
フリー側のほうが低テンションというか
スポークの変形量が大きくなります。
このホイールでも そうなっていましたが、
スポークの材質がスチールではないので
フリー側のスポークの変形が
ペダリングでハブを回転方向に絞ったときに
ヌルく感じる、言い方を変えると かかりが悪いと感じるであろう
閾値は(←人によって違いますが)優に超えているので
このスポークによるホイールであれば問題ありません。
つまり、この寸法のハブとリムで
スチールスポークでホイールを組んだら
大したものではないということでもあります。
まあ ロヴァールより多少マシといったくらいじゃないでしょうか。

スチールスポークでも 32Hか36Hくらいであれば
これに匹敵する硬さのホイールを組めるかもしれませんが
それは このホイールより確実に重たくなります。
このホイールのカーボンスポークを
全てCX-RAYかエアロライトに置き換えて
スポークテンションの多寡で
これより硬いホイールを組むのも不可能です。
というか それができるなら
カーボンスポークにする必要ないよね、という話になります。
そして、このカーボンスポークは
スポーク比重65%より軽いので
CX-RAYやエアロライトに対して
性能面では完全上位互換です。
困ることがあるとすれば 硬すぎて足にクるとか
スポークが破損した場合に
汎用の材料では修理できないといった点でしょうか。
あと、右から左にホイールを売る程度しか能が無いショップで買うと
たかが振れ取りでメーカー送りにされて
日にちがかかるというのも
書き加えたうえで 線を引いておきます。


RIMG7703amxy15.jpg
RIMG7704amxy15.jpg
あと このホイール、リムのどこにも表記が無いですが
片側フランジでハイローフランジこと DBLを採用しています。
DBLは ダイナミック バランスド レーシングのアクロニムで
レーシングは RacingではなくLacing、編み物のレースと同じ意味です。

上の画像2枚は 反フリー側のフランジですが、
スポークヘッドの金属部分の長さが同じなのに
上の画像のヤマアラシさん方向のスポークは
ハブフランジの輪郭あたりで終わっていて
下の画像の反ヤマアラシさん方向のスポークは
ハブの輪郭から飛び出ています。
この「ハブフランジでのDBL」ですが、
最終交差している2本のスポークで
スポークテンションの高低差が出ます
(後で触れるスポークのDBLに比べれば
はるかに軽微ですが)。
それがスチールスポークだと
低テンション側にゆるみが出やすくなるので
私は DBLは良くないというか
デメリットのほうが大きいと思うので嫌いです。
カーボンスポークだと
たぶん問題は起きないと思いますが・・・。

もっとひどいのは「スポークのDBL」です。
最終交差のスポーク2本の スポーク比重を変える、
具体的に言うと ヤマアラシさん方向のスポークの
スポーク比重を大きくするという仕様で、
これは短期で観測できるレベルで
スポークのゆるみが出ます(つまり その位相で振れが出ます)。
スポークのねじ山に強度が高めの
ゆるみ止め剤を塗布しても無駄でした。
ある程度使ったSLRのホイールなどは、
その全数が ゆるみが落ち着いた状態のまま
それと気づかずに使われていると思われます。
GIANTも スポークのDBLはマズいと思ったのか、
ある時期以降のスチールスポークのホイールでは
採用していないようです。
それに比べれば ハブフランジのDBLは
「なんか賢そうなことしてますよアピール」程度の
かわいいもので、体感することはできません。

RIMG7706amxy15.jpg
前輪も 2:1組みですが、
反ローター台座側をラジアル組みにしていて
2:1組みの束が奇数でもかまわないことから
3本の束が7ペアの21本となっています。

RIMG7707amxy15.jpg
ローター台座側にして タンジェント組み側ですが、
スポークヘッドの金属部分を見れば分かるように
ハブフランジのDBLをしています。
駆動輪じゃないのに やる意味があるのかは不明です。
この片側でのラージフランジとスモールフランジの
中間の寸法で、DBLではないハブで
同じように前輪を組んだとして
(ラジアル組み側のスポークテンションが同じでセンタードンピシャ)、
同じタイヤ同じ空気圧同じディスクローターで
ブレーキをかけたときの制動距離が
体感できるレベルで変わる・・・とも思えません。
というか そもそもこんなブログを読んでいない人だと
「おっ!フロントハブの左側 DBLやんけ!」と
気付くことが 一生ない可能性もあります。
これに気付く人は レーシングゼロDBのスポークを見て
「おっ!横から見たスポークの幅は左右同じだけど
少スポーク側は より厚いから 左右逆異径組みやんけ!」
と気付くような人種です。

RIMG7705amxy15.jpg
マヴィックやエフェットマリポサと同じような
(というか同じかもしれませんが)
茶色いリムテープが貼ってあったのを
剥がしたあとの あのエゲツナイ糊残りを
お客さんの手で糊のリムーバーを使って
一晩かけて きれいにしたそうです。

フックドリムの内幅は 左右のフックの先同士の幅なので、
外幅や リムの耳の厚みが変わらないのであれば
フックレスリムにすると 内幅とされる部分の寸法は広くなります。
このリムは 内幅22.4mmのフックレスリムですが、
仮に フックドリムになったとすると
内幅20mmくらいになるはずです。
このリムに対して それ以外使えない専用品・・・
というわけでは無いものの
GIANTが用意しているチューブレスタイヤは
25C幅のみで、やや細いように思われますが
フックドリムで 内幅20mmなら
ありえなくはないタイヤ幅です。
ZIPPのホイールの場合は
内幅23mmと内幅25mmのフックレスリムで
どちらの場合でも 28Cタイヤが下限(※)となっているので、
23mmで28Cタイヤが下限なら
22.4mmで25Cタイヤは やはり細いです。

※23mm幅の場合は 25Cタイヤが使えるメーカーもあり、
チャレンジ・グッドイヤー・IRC・シュワルベなどがOKで
コンチネンタル・パナレーサー・ピレリ・ヴィットリアなどがNG、
ミシュランは ZIPPのほうから「ミシュランに訊いてくれ」と
なっています。

このホイールのリムの外幅は30mmなので、
タイヤサイドよりリムサイドのほうが
明確に広くなることから グレーチングのフタを通るときに
格子の幅によっては タイヤが スッと落ち込んで
リムサイドにガリ傷が付きやすい点には要注意です。

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