のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

y≦X/4(ワイしょうなりイコールよんぶんのエックス)の話  

よーしサクサクいくぞー!
今日はタンジェント組みする場合に
スポークを何本組みできるかの限界について。
DSC00132amx.jpg
↑この文章のとおりです。以上。
というわけにはいかないので・・・

まず ハブとリムの穴数が同じで穴の位相が等間隔なとき、
という くだりは、要は普通のリムとスポークですよということです。
抜けていたことがひとつありました。左右のスポーク本数も同じです。
その前提で話を進めます。

その普通のリムでy本組みしたい場合、スポークの本数がx本なら
y≦x/4の範囲でホイールが組めるということです。

DSC00134amx.jpg
そういえば ホイールの何本組みという概念について
これまでまったく触れてこなかったので、書いておきます。
上の図はハブフランジです。

DSC00135amx.jpg
横から見て最後に交差するスポーク同士が、ハブフランジのどの穴から
出ているのか数えたとき、1本目と2本目が交差するのが2本組みです。
通常、交差するスポークは ヌポークと反ヌポークになりますが、
上の図ではどちらもヌポークです。
横から見て交差している部分を接触させるのを「編む」と今後表現します。
2本組で交点を編もうとしても、ハブフランジの厚みのせいで不可能です。
しかし、2本組みするスポークの両方をヌポークまたは反ヌポークで揃えると、
2本組みでもスポークが編めます。

DSC00137amx.jpg
↑これがヌポーク2本組み



ちょっと脱線。「編み」の話もついでにします。
DSC00161amx.jpg
これはマヴィックのマッハ2 CDセラミックですが、
そんなリム自慢はどうでもいいです(笑)。
スポークの交点を接触させていますね。これが「編み」です。
スポークを編むと横ねじれに強くなったり 振れが出にくくなったりします。
デメリットは、スポークテンションが低いとカキカキと異音がすることです。
私は完組みホイールでなぜか多用される黒スポークが大嫌いですが、
理由の一つが「黒スポークの方がカキカキ鳴りやすい」からです。
もう一つの理由が「実質 結線ハンダ付け出来ない」からです。

DSC00162amx.jpg
↑キシリウムのようなアルミスポークの場合、
横から見て交差しているスポークでも
DSC00163amx.jpg
前後方向から見れば、編んでいません。
アルミスポークは スチールスポークとは比較にならないくらい
削れに弱いので 当然の措置ですが、完組みホイールはスチールスポークでも
編んでいないことが多いです。

現行のキシリウムエリートはエアロスチールスポークを
異常なテンションで張っていて、かつ編んでいます。
それを見ると「ああ、完組みのこういうところには勝てんわ」と思います。



タンジェント組みの話に戻ります。
DSC00139amx.jpg
↑これは4本組みです。1本目と4本目が交差しています。
4本組み以上はヌポークと反ヌポークで交差させます。

DSC00141amx.jpg
↑つづいて6本組。

DSC00142amx.jpg
↑最後に。8本組みです。

DSC00144amx.jpg
例えば、24Hのハブでタンジェント組みすることを考えてみます。
24Hですから、片側のフランジには12個の穴があいています。

DSC00145amx.jpg
↑6本組みしてみました。問題なさそうです。

DSC00148amx.jpg
8本組みしてみました。何かおかしいですね。

DSC00150amx.jpg
タンジェント組みで最後に交差しているスポークの出る穴の位相は、
180°を超えることは出来ません。
(実際はスポークがハブ胴に触れない限りは不可能ではないのですが
力学的にメリットはありません)

DSC00149amx.jpg
タンジェント組みで普通に組む場合、スポークを通すことができる
穴の位置は、ハブの穴の総数の半分の そのまた半分が限界だということです。
半分の半分なので 4分の1です。

DSC00157amx.jpg
で、冒頭の式です。
xにスポーク本数、yに何本組みというのを代入すると、
x本のスポークでタンジェント組みできる限界や
y本組みできるスポークの最低本数が一瞬で計算できます

DSC00158amx.jpg
例えば24Hなら、最大で6本組みできるということです。
左辺と右辺をつなぐのが「≦」なので、
6本組み以下の4本組み、2本組み、0本組み(ラジアル組みのことです)も
成り立ちます。
8本組みは左辺の方が大きくなるので成り立ちません。

DSC00159amx.jpg
8本組みができるようになるのは32H以上からです。
現在では仕様として絶滅している(材料がない)ので
実際に組んだことはないですが、40Hからは10本組みが出来ますね。

DSC00160amx.jpg
この式はなかなか便利で、例えば仮想上の200Hのハブというものを考えた場合、
「限界は50本組み」とすぐに計算できます。

私は、120Hくらいのホイールから規則的に あるいは不規則的に
スポークを間引いていくと どういう風な応力変化を示すのかという
思考実験をよくしますが(アブナイ奴ですね)、そういうときに
この式が役に立ちます。

実際のホイールにおいては、「20Hのリムでは6本組みできないが
24Hではギリギリ出来る」
という話につながります。
それはまた後日。

category: ホイールの話

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2012/10/31 00:03 | edit

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