のむラボ日記

自転車工房「のむラボ」のブログです

18Hの後輪はフランジ片側で異本組みせざるを得ない話  

スポークのDTが ハブの分野に手を出したのはそんなに昔のことではありません。
DSC07787amx.jpg
現行モデルの前までは「Hugi(フギ)」というブランド名で展開していました。
(ウムラウトの入力が面倒なので「u」と打ちました)

DSC07786amx.jpg
で、このフギハブですが ハブとしては特に見るべきところはありません。
が、あまりにも珍しい点がひとつありまして、
これ18Hのリヤハブなんです。

DSC07788amx.jpg
18Hということは、片側9Hということですね。

DSC06276amx5.jpg
↑私はハブフランジをこういう風に展開して考えることが多いです。
メルカトル図法的展開と書いてますが、
アドミラル的展開、またはミツカン的展開でもいいです。

追記:切り取り線の入れ方を間違っていたので訂正しました。
ご指摘のコメントありがとうございます。


DSC07790amx.jpg
で、片側9Hで2本組みを取っていったとすると、
奇数なので1本余ります。これはどう考えてもホイールバランスが悪いので、
なるべくバランスが破綻しない組み方を考えます。

DSC07792amx.jpg
↑となると この2つしかありません。
2本組みとラジアル組みを交互に挟むか、2本組みの中にラジアル組みを通すかです。
リム全周に対する縦振れのばらつきが少なくて済むのは 前者なので
私は18Hで後輪を組む必要があるとなればXI型で組みます。

DSC07794amx.jpg
片側のフランジに タンジェント組みとラジアル組みが混在しているので、
当然 各々の組み方のスポークテンションは異なります。

DSC07795amx.jpg
ホイール組みは、リムの位置をハブ全体の幅のセンターに持って来つつ
なるべく高い妥協点で縦振れと横振れを少なくするという作業です。
この縦振れの青いラインを
DSC07796amx.jpg
↑なるべく円の形に持っていきたいわけですが、
そのときのタンジェント組みとラジアル組みのスポークテンションは異なります。

DSC07797amx.jpg
↑もしスポークテンションのほうを合わせたならば、
極端に描けば こういう状態になります。
縦振れを取ればテンションがばらつき、テンションを合わせれば縦振れが出ます。
ホイールとして使ううえで どちらがまだましかというと前者です。

DSC07798amx.jpg
スポークテンションは スポークにかかっているテンションです。
上の図で言うところのRKとは異なります。
スポークテンション=RKではありません。
ニップルによるリムの破損に関係するのはRKのほうですね。
同じRKの場合、スポークが太くなればスポークテンションは下がります。
RKは現実的には測りようがないので
リムメーカーは耐破損の閾値として スポークテンションを定めていますが、
同スポークテンションでも太さによってRKは変わります。

スポークテンションが同じだと太いスポークほどRKが大きくなるので
例えば120kgfが上限値のリムを
2.0mmプレーンで120kgfで張った場合、
そのときのリムの破損リスク(=RK)は
CX-RAYの140kgfと同じくらいかもしれないわけです。
ただ、 リムの方が「120kgfまで!」と
スポークテンションのほうで上限を決めているので そちらに従うしかありません。
スポークテンションはRKと違い かなり正確に概算値が出せるので
メーカーとしては 閾値はそちらで指定するしかないのです。

DSC07799amx.jpg
話がそれましたが スポークの径とスポークテンションは
「太い=低い、細い=高い」という関係になるということです。

DSC07801amx.jpg
で、XI型の組み方を全て同じモデルのスポークで組んだとします。
これは フランジ片側での同径異本組みです。

DSC07803amx.jpg
同径異本組みを、スポークテンションに関してだけですが
異径同本組みで表現することは可能です。

もし異径同本組みの2種類のスポークの比重を任意に無段階で変更できるとしましょう。
(ニップルの穴径も含めてプレーンスポークの径を自分で任意に決められるとします)

そうなれば
18H同径異本組みの
「タンジェント組み:ラジアル組み」のスポークテンション比を
18H異本同径組みの
「細いスポーク:太いスポーク」で同じ比にすることもできるはずです。

実際は タンジェント組みとラジアル組みでは
ねじれ入力に対する振る舞いが異なるので、そうなった場合は
3分の2だけタンジェント組みを残している同径異本組みのほうが
ねじれに対しては強そうではありますが。

DTフギ18Hリヤハブでは
片側フランジ異本組みをせざるを得ません。
また、後輪では両側ラジアル組みは絶対にNGなので
少なくとも片側はタンジェント組みをしなければなりません。

ではもしこれが、18Hの前輪だったらどうでしょう。
その場合は普通 ラジアル組み一択ですね。
片側フランジ異径組みというのは、スポークテンション的には
ちぐはぐの太さのスポークでラジアル組みをするのと同義です。

ちぐはぐの太さのスポークでラジアル組みをすることの優位性を
説くことができるのであれば、
片側フランジでタンジェント組みとラジアル組みを混ぜる優位性も
説くことができると思うのですが、私には無理です。
これは理論上もそうですが 経験的にもそうです。

DSC07804amx.jpg
私個人のアホイール(※アホなホイール)で
32Hの片側16Hで、1クロスのねじり組みとラジアル組み2本が
ひとまとまりとなる組み方をしたことがありますが、
縦振れがきれいに取れませんでした。
赤く描いたラジアル組みのスポークの方がテンションが低いわけですが、
テンションが低いというのは ゼロにより近いということです。
実際に使うとラジアル組み側が
駆動伝達と剛性担保の仕事をしていない感触になりました。
大げさに言えばねじり組みのスポークだけのホイールと大差ない感じです。
あと、このラジアル組み側のスポークがよくゆるみます。

DSC07805amx.jpg
なのでちょっと組み方を変えてラジアル組みを1クロスに変更しました。
こうなると違いは ねじっているかどうかだけなのですが、
2ヶ月ほどでスポークの首が飛んだのでばらしてしまいました。
売り物にするつもりもなかったのですが、売り物にはならんなぁという
ほぼ分かりきった答えが出ただけです。

片側フランジ異径組みは基本的にはNGです。
DTにトライコンというコンセプトのホイールがありますが、
あれはハブ側のスポークの出しろのフランジ高さを変えてあることと
非ラジアルの2本のスポークの向きがよく練られているので
スポークテンションの差はありますが
首飛び頻発問題は避けられているんじゃないかと思います。
それ以前にストレートスポークですね。それも大きいです。

DSCC47c12.jpg
↑探してたら見つかりました。
かつて組んでいたときの画像です。
これは「フリー側ヌポークXI組み/反フリー側反ヌポークラジアル組み」ですね。
この後に反フリー側も全ヌポークXI組みにしたのですが、
そのときの画像はありませんでした。
XI組みとか造語を使ってますが、起源の主張をしたいわけではありません。
18Hのリヤハブを渡されたら誰であろうが 実質こう組むしかないからです。
これの相方の前輪はTniカーボンハブ18H XI組みだったのですが、
当時の私には異径スポークというアイデアが無かったのと
試作品なので細いスポークは怖いのとで 全て2.0mmプレーンで組んでいます。

ヌポークとかヨンロク組みとかXI組みとかいう用語を作っておけば、
たいていどんな組み方でも類型に当てはめることができるので便利です。

DSC07806amx.jpg
↑スポークテンションだけに固執するのであれば
3本のラジアルスポークを細いスポークにすれば、
(実際の比重差をどのくらいにすればいいのかは分かりませんが)
6本のタンジェントスポークに近しくはなるはずです。
異本異径組みにしてなるべくプラスマイナスゼロに持っていこうという考えです。
が、これでそろうのはスポークテンションであって スポークの変形量や
ニップル側のRKまではそろいません。

しかし、これら(テンション・変形量・RK)を全てそろえる画期的な組み方があります。
マネしてもらってもいいですよ!
それは同本同径組みです!18Hでタンジェント組みだと
全てのスポークを同本組みにできないのでラジアル組みにしちゃいましょう!
全てのスポークを同じモデルにしてラジアル組みすれば
前輪ならスポークテンションも変形量もRKもそろいます!
18HのXI組みは「18Hのリヤハブで後輪を組むことになった」場合にのみ
仕方なくせざるを得ない組み方で、メリットは ほぼありません!

最大のデメリットはスポークテンションのばらつきです。
まあこれはテンションメーターを使わないとはっきり分からないことですが。

category: ハブ片側で異本異径組みする話

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